研究課題
Immune checkpointsを標的とすることが膵癌の予後に反映するかという大きな疑問があり、それを確認するべく我々はまずimmune checkpointsの膵癌組織での発現と予後との関係を解析した。方法としては根治切除可能な膵癌組織を手術により摘出し、摘出標本の病理切片を免疫組織染色にて解析した。その結果多数のImmune checkpointsの中でも特にB7-H3及びB7-H4の発現において、発現の強度及び発現範囲で検討を行うと予後との関係に有意な差が認められ、この結果から今回のテーマである膵癌においてimmune checkpointsを標的として治療することは、少なくともB7-H3及びB7-H4においては予後を改善させる可能性があると考えられた。今までの報告では散発的に一つのImmune checkpointについて解析されているものが主であり、Immune checkpoints 間での関係について特にがん患者の標本を用いて解析されたものがない。そこで各々のImmune checkpointの発現が予後因子において相関しているかを解析した。少なくとも今回膵癌で予後に関わる因子として同定したB7-H3、B7-H4に関しては有意な相関関係は認められなかった。この結果からそれぞれのcheckpointは独立した予後因子であると考えられた。これは非常に興味深く重要な情報であり、同じ癌種でありながら治療対象者が異なることから、それぞれの治療が単独で行えるのは勿論の事、併用治療も有り得ることが示唆された。更に興味深い結果として、癌細胞での発現と癌間質での発現とが、特にB7-H3において全くの逆発現パターンを呈しており、また予後も全く正反対の結果となった。我々は間質の特にfibroblastに関与している所までは判明したが詳細な機能については現在も解析中である。
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