研究課題/領域番号 |
25462104
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 隆 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40464010)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 膵島移植 / 膵臓移植 / 慢性膵炎 |
研究概要 |
本研究の目的は、内科的治療が困難な難治性疼痛を主訴とする慢性膵炎に対して、外科的な根治治療である膵切除を行い、その際、自己のラ氏島細胞を取り出し、そのまま患者に戻す自家膵島移植技術を併用することにより、膵内分泌機能を可能な限り温存する治療を本邦でも臨床応用し、治療成績を向上させることにある。米国において1977年から行われている、ラ氏島細胞移植を併用した慢性膵炎治療であるが、本邦では未だ、実験的な治療の段階である。慢性膵炎に対する膵切除は保険適応であるが、ラ氏島細胞移植のハードルがまだ高い。そのため、ラ氏島細胞移植を併用することが有用であるのにもかかわらず、実際の臨床で実施することができずにいる。本研究を通してラ氏島細胞移植がさらに安全で簡便な、安定的な医療として導入できることを最終的な目標にしている。 本研究は3 年計画とし、2 年以内の慢性膵炎患者に対する自家膵島移植併用の膵切除治療の実現を目指すものである。現在臨床研究として学内の倫理委員会に自家膵島移植治療を申請中。自家膵島移植の膵島分離に必要な物品の準備について進めている。 シュミレーション作業(大動物実験を含む)についても動物実験施設の改修等で遅れていたが、新たな施設基準に準拠した実験計画書を準備中である。当院のヒト細胞分離施設の使用許可申請等の条件が整い、移植候補者が現れた場合、学内倫理委員会で審議ののち、妥当と判断されれば実施を予定していたが、1年目では候補者なしであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自家膵島移植の膵島分離に必要な物品の準備について、一部の物品が、見込額よりも高額なために現在、代替物品の選定を検討中。場合によっては他施設の物品の借用等を考慮する必要がある。 大動物を用いたシュミレーション実験に関しては、当院動物実験施設の改修工事の影響により、実験開始が遅れている。改修後、新たな動物実験施設の施設基準が設けられたため、実験計画の見直しを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
自家膵島移植の膵島分離に必要な物品の準備について、一部の高額な物品を、代替の物品で実施可能か検討する。必要に応じて、一部の研究計画を見直す可能性も視野に入れる。他施設の物品の借用等も考慮する必要がある。 大動物を用いたシュミレーション実験に関しては、当院動物実験施設の改修工事の影響により、実験開始が遅れている。改修後、新たな動物実験施設の施設基準が設けられたため、実験計画の見直しを行っているが、速やかに見直した実験計画を提出する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定された膵島分離関係の物品の一部が予定額より高額であったため、物品を見直す必要があり、その分が次年度使用額が生じた理由である。 予算内で購入可能な代替物品に変更し、次年度購入予定である。
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