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2015 年度 実施状況報告書

膵癌撲滅に向けたテーラーメード治療―化学放射線療法抵抗性・癌幹細胞に対する戦略―

研究課題

研究課題/領域番号 25462109
研究機関三重大学

研究代表者

水野 修吾  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70335131)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード膵癌科学放射線治療
研究実績の概要

現在までの研究状況の概要:
当科では2005年2月から、UICC-T3, T4の局所進行膵癌に対しGEMを用いた化学放射線療法(GEM-CRT)を124例に、また膵癌に対するS-1の効果が明らかとなった2011年以後はGEM plus S1 (GS)-CRTを103例に施行し、その後治癒をめざした外科的切除、術後補助化学療法からなる集学的治療を220例以上に行い良好な成績を得ている(文献1)。また、Human equilibrative nucleoside transporter (hENT1)はGEMの主要な腫瘍細胞内輸送蛋白であり、これまでに我々は、NCRT施行後に膵切除術を行った局所進行膵癌患者55例を対象に、腫瘍組織中のhENT1発現レベルを検討し、hENT1/TSは有用な予後規定因子であることを報告した(文献2)。また、治療前のEUS-FNAB検体を用いた免疫組織染色にてhENT1発現を検討し得た51例 (UICC-T3: 28例、T4: 23例) を対象に、治療前のhENT1発現とGEM-CRTの治療効果を検討したところhENT1陽性の切除例は、生存期間中央値が30ヶ月以上と著名な延長を示しているのに対して、hENT1陰性の切除例は、非切除例と同様に約9ヶ月と予後不良であることが判明した。すなわち、このGEM抵抗性膵癌であるhENT1陰性例に対する治療戦略の確立が急務であると考える。
1) Desaki R, Mizuno S, Tanemura A, et al. A new surgical technique of pancreaticoduodenectomy with splenic artery resection (PD-SAR) for ductal adenocarcinoma of the panceratic head and/or body invading splenic artery: impact of the balance between surgical radicality and QOL to avoid total pancreatectomy. BioMed Research International 2014; 2014: 219038.
2) Murata Y, Mizuno S, Kishiwada M, et al. The impact of histological response after neoadjuvant chemoradiotherapy on recurrence free survival in UICC-T3 pancreatic adenocarcinoma but not in UICC-T4. Pancreas. 2012 Jan;41(1):130-6.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床検体を用いたhENT1との関連に関する研究や、テネーシン発現に関する研究は進んでいるが、テネーシンノックアウトマウスを用いた研究へのとりくみがうまくいっていない。

今後の研究の推進方策

以下の動物実験の進捗を進める。
テネイシン・ノックアウトマウスを用いて癌幹細胞によるGEM-CRT治療抵抗性獲得機序を解明(分離ヒトがん幹細胞株を使用した動物実験)
分離ヒト癌幹細胞株を(A)ヒト膵臓癌同所(膵内)移植モデル(B)経門脈(経脾)による肝転移モデルを作成。移植後21日目に、膵臓(原発)、肝臓・肺(転移巣)を摘出
検討項目:(1)テネイシン・ノックアウトマウス群,(2)コントロール群における原発巣の大きさと肝転移巣を評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 局所進行膵癌に対する化学放射線治療における腫瘍内TenascinC発現の臨床的意義の検討2015

    • 著者名/発表者名
      村田 泰洋、水野 修吾
    • 学会等名
      日本膵臓学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県・名古屋市)
    • 年月日
      2015-06-19 – 2015-06-20

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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