研究課題
胆道がんは代表的な消化器がんのひとつであり、わが国における死亡者数は増加の一途をたどっている。積極的な外科切除や放射線化学療法による集学的治療が試みられているものの治療成績は悪く、極めて予後不良の疾患である。従って、これまでにない有効な治療戦略が求められている。ヘリコバクター属菌であるピロリ菌が胃発癌に強く関与していることは疫学的調査ならびにスナネズミを用いた実験で明らかになった。現在ではピロリ菌は胃発癌の危険因子として広く認識されている。さらに2000年にはピロリ菌に対する除菌療法が保険適応になるなど、ピロリ菌の研究は胃癌を含む胃・十二指腸疾患の治療に革新的な進歩をもたらした。同様な戦略が胆道がんにおいても新たな戦略になりえると考え、申請者はビリス菌・ヘパティクス菌の胆汁耐性ヘリコバクター属菌の感染スクリーニング、さらに感染者に対する除菌による胆道がんの発がん予防の可能性を検討している。本研究において、1. 臨床患者において菌感染の簡単な検出方法を確立するために、これまで樹立したビリス菌に対する特異的な新規モノクローナル抗体1種類に加え、新たに3種類を樹立した。2. 治療実験が単純・簡便になるようにビリス菌・ヘパティクス菌の感染マウスモデルを作製した。2種類のビリス菌(ATCC51630および43879)あるいは1種類のヘパティクス菌(ATCC51448)を用いて、菌接種4週、8週、16週後に解析を行った。16週後の解析で、1種類のビリス菌(ATCC43879)を接種した3個体すべてにおいて便培養および便 PCR によって菌の感染を認めた。一方、肝臓を用いた培養では3個体中1匹のみに感染を認めた。他の菌体および個体では菌感染を認めなかった。ビリス菌(ATCC43879)がマウスにおいては最もよい感染モデルになることを見出した。
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