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2013 年度 実施状況報告書

周皮細胞による腫瘍血管ネットワークのリモデリングに着目した新規膵癌治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 25462118
研究機関九州大学

研究代表者

真鍋 達也  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60546464)

研究分担者 水元 一博  九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
上田 純二  九州大学, 大学病院, 助教 (90529801)
当間 宏樹  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (80437780)
大内田 研宙  九州大学, 先端医療イノベーションセンター, 講師 (20452708)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード膵星細胞 / 周皮細胞 / 腫瘍血管
研究概要

本研究の目的は、膵癌内の血管ネットワーク構築に関与する膵星細胞と周皮細胞の関係を解明し、両者が行う腫瘍血管のリモデリングへの関与とそれを制御する新規の標的を同定し、膵癌への治療薬剤の到達効率を上昇させることである。
本年度はヒト膵癌切除組織における膵星細胞と周皮細胞の局在を明らかにし、それらを同定するにあたっての表面マーカーについての検討を行った。膵癌切除標本の免疫組織化学染色を行って、活性化した膵星細胞のマーカーであるαSMAと周皮細胞のマーカーであるNG2およびPDGFRβについてその発現を検討した。また、腫瘍内の血管についてはCD31により内皮細胞を同定し、その局在を明らかにした。その結果、腫瘍内の血管には明らかな数の低下は認めず、その周囲の間質においてαSMAとNG2/PDGFRβが広く発現していることが明らかになった。このことから、腫瘍内の乏血性を規定しているのは、血管の数ではなく機能の低下であることが示唆された。また、膵癌間質におけるαSMAとNG2/PDGFRβの発現分布の類似性からは、膵星細胞と周皮細胞との間には部分的に相同である可能性についても示唆された。
さらに、膵癌切除組織から樹立した間質細胞において、ペリサイトマーカーでるNG2/PDGFRβの発現をフローサイトメトリーで検討すると、割合にはバラつきがあるもの間質細胞の中にはNG2またはPDGFRβ陽性の細胞群が存在していることが分かった。今後はこの細胞群をセルソートにて分取し、その生物学的特性や癌細胞との相互作用、血管新生との関わりなどについての検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膵癌における腫瘍血管、膵星細胞、周囲細胞の局在については明らかにすることができたが、その機能面での相互作用と血管のリモデリング制御機構についてはまだ検討できていない。

今後の研究の推進方策

ヒト由来周皮細胞株とHUVECの直接共培養を行い成熟血管新生モデルと未熟血管新生モデルを作成し、両者の差異を解明する。低酸素刺激や膵癌細胞株上清添加などによる血管新生や、血管新生促進因子と抑制因子のバランスなどを検討し成熟血管新生に必要な標的となる因子を模索する。
また、膵癌手術組織に含まれる血管を採取し、腫瘍血管新生モデルをex vivoで再現できないか多方面から検討する。当研究室では以前から手術組織から膵星細胞を50種以上樹立しており、その手法を応用して新たな血管新生モデルを作成し、成熟血管新生に必要なメカニズムを検討する。

次年度の研究費の使用計画

研究計画に遅れが生じているため。
試薬類30万円、抗体10万円、リボ核酸干渉・遺伝子強制発現30万円、実験用マウス60万円、実験用ガラス器具25万円
研究成果発表費10万円、論文投稿料10万円
遺伝子改変マウス作成料50万円

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公開日: 2015-05-28  

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