研究課題/領域番号 |
25462123
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮井 博隆 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00615081)
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研究分担者 |
松尾 洋一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40381800)
竹山 廣光 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00216946)
社本 智也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (00592502)
坪井 謙 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (80592500)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 膵癌 / 新規抗癌剤 / 血管新生 |
研究概要 |
膵癌に対する化学療法はゲムシタビン(Gem)が広く使用されているが,その効果は十分に満足いくものではない.その理由にはGemに対する耐性化がある.そのメカニズムの解明のためにGem耐性膵癌細胞株を樹立した.一方,我々は今までに,CXC-Chemokine/CXCR2 axisを中心としたケモカインネットワークが膵癌血管新生に重要な役割を果たしていることを報告してきた.膵癌患者の膵液中のCXC-Chemokineの濃度は,非癌患者から採取した膵液中のそれより高値であった.膵癌細胞株は,正常膵管上皮細胞(HPDE)よりCXC-Chemokineの分泌能が高かった.膵癌細胞株でも,樹立したGem耐性株は,Gem感受性株よりCXC-Chemokine(CXC8/IL-8)の分泌が亢進していた.CXC-Chemokineは腫瘍血管新生を亢進するため,そのレセプター抗体(CXCR2抗体)療法は臨床応用への可能性を含んでいる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究目的は,膵癌および正常膵におけるCXC-chemokines発現の比較である.内視鏡的に採取した膵液中のCXC-Chemokine濃度は癌患者で高値であることを確認した.細胞レベルでも,膵癌細胞株は正常膵管上皮細胞よりCXC-Chemokine発現が高いことを確認した.さらに,Gem耐性獲得により,膵癌細胞株のCXC-Chemokine(CXCL8/IL-8)分泌が亢進することを確認した.これにより,CXC-Chemokineのレセプター中和抗体(CXCR2抗体)療法の可能性が示唆された.
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今後の研究の推進方策 |
(1)CXC-Chemokines/CXCR2 axisによる血管内皮細胞(VEC)の管腔形成能の変化の検討 recombinat CXC-ChemokinesでVECのtube formation が亢進することを確認した後,VEC, fibroblast,および膵癌細胞(Gem-SまたはGem-R)をdouble chamber法にて2週間共培養し,VECのtube formation の変化を比較検討する.さらにCXCR2 Ab処理を行い,VECの管腔形成能に及ぼす影響を検討する. (2) nude miceに膵癌細胞(Gem-SまたはGem-R)を移植し,CXCR2 Abを腹腔内投与し,腫瘍増殖抑制効果を検討する.血管新生の作用は病理組織学的に検討する.これらの結果をもとに,臨床応用を目標とする.
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次年度の研究費の使用計画 |
残額が多少残ったので、翌年有効に使用することにした。 予定通り研究行うことができた。 残額が多少残ったので、翌年有効に使用することにした。
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