研究課題/領域番号 |
25462126
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
粕谷 和彦 東京医科大学, 医学部, 准教授 (80307313)
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研究分担者 |
土田 明彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (50207396)
糸井 隆夫 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60338796)
臼田 実男 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60338803)
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (70246205)
岡 潔 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (80354661)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 光線力学的治療 / 胆道がん / 内視鏡 / 細径 / ファイバ― |
研究実績の概要 |
本研究は複合型細径ファイバを用い、胆管がんの管腔内からの光線力学的治療(以下、PDT)の確立を目指している。本年度の研究目標は引き続き、外力に対し脆弱な細径ファイバを生体内深部まで、いかに安全に簡便に到達させるかということである。初回の試作シ―スを用いて、生理的洗浄下に主種の条件で画像を撮影した。その結果、最適の滴下生理的食塩水の量を決定した。同法による撮影結果では、水分による画像のゆがみが認められることが分かった。さらに改良を加え、適切な洗浄法を検討した。安定した製剤形を保つため、シ―スを市販のSpy Glassシ―スに代えるため、細径ファイバの全長を長くしたものを作製中である(本研究期間の一年の延長を申請、承認済み)。これまでも行ったin vivoでの研究を継続し、使用した豚の匹数を増やした。そして胆汁の洗浄、および視野の確保とレーザー照射を行えることを生体外と豚の胆嚢で確認した。視野の確保は従来径を持つCCDカメラと比し、不十分であるが、複合型細径ファイバの径が細いことから、この点についての改良は進まなかった。 PDTの実際については、胆道粘膜へのPDTを施行後、四週間の経過観察によりPDT施行直後と四週間後の胆道粘膜を採取し得たため、PDT直後の正常胆道粘膜は出血とうっ血は見られるが粘膜の脱落はなく、また四週後にはほぼ正常粘膜の状態であることが確認し、さらに症例数の蓄積を行い、国際学会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.複合型細径ファイバは外径が1mm以下であるため、極めて外力に弱いために胆管内に同ファイバを保護しながら運ぶシース(鞘)が必要である。シーズをいくつも試作し、最適な洗浄条件とファイバの可動性を確認した。 2.胆管内でレーザーを照射するため、視界を明瞭にしなければならない。さらにレーザー出力をより効果的に標的に照射するために、シ―スから無色透明である生理的食塩水を噴出させる工夫が必要である。その意味でのシ―スを作成し、改良を加えた。同システムを用い、in vitroで水滴を行いながらレーザーを照射し、散乱光の発生具合をレーザー光の強度をパワーメーターで測定、評価した。 3.クラウンミニブタを用い、第二世代光感受性物質を投与し、胆嚢粘膜にPDTを施行する動物数を増やした。その結果、PDTによる正常胆嚢粘膜の変性がおこらないことを再度、確認した。 現在、実験は休止している。豚にファイバ―を噛まれ、損傷。現在、新しいものを作製中。
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今後の研究の推進方策 |
1.現行のものより長い細径ファイバを作製し、市販のシ―スを用いて、引き続きIn vitroのPDTシステムの完成を目指す。 2.豚への内視鏡を行い、上記システムの改良を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度、豚を使った実験を施行中に、傾眠状態の豚が覚醒し、本研究でも用いていた細径ファイバを噛むアクシデントがあった。そのため、予定の実験が行えず、次年度へ予算の使用を持ち越すことになった。現在、細径ファイバを作製中である。
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次年度使用額の使用計画 |
新規のファイバが完成次第、実験を再開する予定である。
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