心筋梗塞後心室中隔穿孔をより確実にパッチ修復するために温度応答性ポリマーを用いた手術法を開発した。中隔穿孔を生じた梗塞心筋は非常に脆弱で有りパッチを縫合しても断裂する可能性が高い。本研究では梗塞心筋に温度応答性ポリマーを注入することによってその脆弱性を改善し縫合に耐えうる組織強度を回復させた。in-vitro試験では、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)ポリマーを注入することによって3倍の組織強度が得られることが判明し、ラット梗塞心筋へ同ポリマーを注入しePTFEパッチを縫合すると縫合ラインでの経時的な組織の菲薄化や断裂損傷が抑制された。
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