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2013 年度 実施状況報告書

心房組織を用いたiPS細胞作成および直接的心筋細胞誘導法による心房細動の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 25462144
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

井口 篤志  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90222851)

研究分担者 道本 智  埼玉医科大学, 医学部, 助教 (00649337)
千本松 孝明  埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (70216563)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードiPS細胞誘導 / 線維芽細胞 / 左心房組織 / 皮膚組織
研究概要

手術により切除剥離された左房または皮膚組織からの線維芽細胞の分離培養は確立された。200mg-400mg左房組織を細切し、DMEM 0.05%BSA/800U/ml collagenase II 37℃ 4時間以上incubationし、セルストレイナーを用いて組織残渣を除去し、細胞分散により線維芽細胞が得られた。現在30患者より1人あたり約6x106細胞が凍結保存された。
皮膚組織からの線維芽細胞細胞分離培養は、既存の方法を用いて施行され、現在、26患者より1人当たり約7x106細胞が凍結保存されている。
これら線維芽細胞を用いてエピソーマルベクターに組み込まれた山中4因子を導入しiPS細胞誘導を施行した。皮膚組織の線維芽細胞からは、遺伝的に未分化マーカーを発現する細胞(iPS細胞と考えられる)を誘導することに成功し、現在それらの細胞は冷凍保存され心筋誘導の準備に入っている。興味深いことに心臓由来線維芽細胞細胞からは、誘導が全くうまく行かず、ほとんどの細胞が誘導後に増殖せず老化し死に至ることが発見された。同一患者でも、皮膚由来線維芽細胞はiPS細胞が誘導されるが、左房由来線維芽細胞からは誘導されない。現在は、次年度ステップとして心筋誘導、そして新たに見つかった左房由来線維芽細胞のiPS誘導法の確立を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

同一患者でも、皮膚由来線維芽細胞はiPS細胞が誘導されるが、左房由来線維芽細胞からは誘導されない。一般的には、線維芽細胞が増殖促進されつつ導入された遺伝子により表現型が未分化細胞に変化していくが、左房由来線維芽細胞の場合、増殖が十分に起こらず老化していく。1つの原因として同一患者の同じ線維芽細胞であるが、由来となっている組織の性質の影響を受けている可能性は高い。非腫瘍性臓器の代表である心臓組織は、基本的に未分化細胞誘導に必須もしくは重要と考えられているc-Myc遺伝子の発現が低いか、分解が促進されている可能性が高く、iPS細胞誘導時の増殖に深く関わっているMycモデュールを中心に解明の糸口を検索していく予定である。

今後の研究の推進方策

iPS細胞を含めたヒト未分化細胞は、マウス等げっ歯類未分化細胞に比してまだまだ十分に解明されていない部分が多い。基本的には未分化細胞化に加齢は影響しないと考えられているが、最近、左房由来組織のドナーの年齢などもiPS細胞導入に関与しているのではないかと推測している。また、新たに考案されたiPS細胞の導入法についても検討しており、今後、この方法によるiPS細胞の導入について実験を行ってゆく方針である。

次年度の研究費の使用計画

予期せぬ端数が生じた。
小額のため、平成26年度の経費と合わせて培養培地を購入するのに使用する。

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公開日: 2015-05-28  

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