研究実績の概要 |
本研究の目的は、小児における右室流出路再建時に良好な結果を示している京都府立大学山岸正明教授らのbulging sinusを有するePTFE弁内の流れ場、特に弁葉形状、bulging sinus形状が、弁開閉に与える影響を実験的に検証さらには膨らみ形状の最適化をすることにある。 初年度は模擬大動脈を用い、弁開口面積の変化に対する膨らみの影響と、最適寸法について検討し、Dynamic PIV法による流れ場解析により、膨らみ内の渦の重要性、さらに弁葉形状変化の影響を観察・検討し、その結果は、関東学院大学理工/建築・環境学会研究報告、第51回日本人工臓器学会大会/第5回国際人工臓器学術大会、第40回ヨーロッパ人工臓器学会およびThe 15th ICBME2013, Singaporeにて発表された。 研究2年目は、膨らみ具合に変化を加えた実験を実施し、実験範囲の拡大を図った。また、肺動脈を模擬したモデルと循環系による実験装置の作製と、および初期の実験を実施した。この結果は、第52回日本人工臓器学会大会、第41回ヨーロッパ人工臓器学会にて発表された。 最終年度は、実寸法のePTFE弁モデルを使用し、更に精度の高い実験を実施し、大動脈モデルでの結果に類似した結果が得られ、膨らみ内の渦の動きにかなりの違いがあることを明らかにした。この結果は、第53回日本人工臓器学会大会、第27回バイオエンジニアリング講演会、ヨーロッパ人工臓器学会(The 42th Congress of the ESAO, Lueuven, Belgium)、14th World Congress in Mechanism and Machine Science, Taipei, Taiwanにて発表された。また関東学院大学理工/建築・環境学会研究報告にて発表された。
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