研究課題/領域番号 |
25462152
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
神吉 佐智子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40411350)
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研究分担者 |
渡邊 房男 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (40183719)
三重野 繁敏 大阪医科大学, 医学部, その他 (10411373)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 虚血再灌流傷害 / 培養心筋細胞 / 遺伝子導入 / ホーミングペプチド |
研究実績の概要 |
未だ有効な治療法が開発されていない虚血性心筋症の新規治療法として「組織標的治療」を考え、in vivo ファージディスプレイ法を用いて「虚血傷害心筋特異的集積ペプチド配列」を発見した。このペプチドの虚血傷害心筋へのホーミングのメカニズムを解明することを目的として研究を進めた。このホーミングペプチドをリガンドとする受容体を同定するため、ナノ磁性微粒子を用いたプルダウン法と質量分析を行った結果、受容体の候補として5種類のタンパク質を同定した。本年度はそれらの受容体候補タンパク質とホーミングペプチドとの相互作用を検討するために、5種類のタンパク質遺伝子にそれぞれ蛍光色素を付加し、発現ベクター(phmMiCy1-MNL)にクローニングした。培養心筋細胞(H9c2細胞)にNucleofection systemを用いて遺伝子導入を行い、蛍光顕微鏡を用いて発現効率を定量した。これまでのところ、1種類の遺伝子導入細胞をマーカータンパク質の発現を基に評価した。今後、残り4種類のタンパク質の遺伝子導入を行う予定である。一方、In vitroで虚血再灌流傷害を再現するため、低酸素培養システムの構築を試みたが、安定した細胞傷害を再現することができなかったため、化学的傷害を用いた実験系を立ち上げ、傷害程度を細胞からのLDH漏出量を測定することで実験系の妥当性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
低酸素培養システムでin vitro で虚血再灌流傷害を再現することができなかったために、 化学的傷害を用いた実験系に変更する必要があり、その実験系の構築に時間を要した。また、ターゲットタンパク質の遺伝子クローニングに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
In vitro虚血傷害系を確立し、in vivoで見られたようなホーミングペプチドが取り込まれる条件を再現できるかどうかを検討する。その系を用いて、5種類の受容体候補遺伝子をそれぞれ導入した細胞で、ホーミングペプチドとの相互作用が起こるかどうかを調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
5種類の遺伝子導入を予定していたが、年度内に1種類の遺伝子導入しかできなかったため、残り4種類の遺伝子導入を行うための費用が持越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
4種類の遺伝子導入に残金を使用する。
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