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2013 年度 実施状況報告書

大動脈瘤形成における歯周病菌関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25462155
研究機関東北大学

研究代表者

齋木 佳克  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50372298)

研究分担者 川本 俊輔  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20400244)
本吉 直孝  東北大学, 大学病院, 講師 (40375093)
細川 亮一  東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40547254)
小関 健由  東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80291128)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード大血管外科学 / 大動脈瘤 / 歯周病
研究概要

口腔内細菌が動脈瘤の形成・拡大に関与するという仮説のもとに、発病様式機序の一端を示すことで、心臓血管病の予防に貢献することを目的として行っている研究である。研究の特色としては、生きた口腔内細菌が動脈瘤壁に存在するかを示し、口腔内細菌が動脈瘤形成・拡大に直接的に、かつ深く関係していることを明らかにすることにある。
まず第1段階として、大動脈瘤手術を予定した患者20名を対象に、東北大学大学院歯学研究科予防歯科学分野の協力のもと、術前口腔内スクリーニングを行い、歯周病菌の存在、歯周病の重症度評価を行った。対象となった疾患は、上行大動瘤をはじめ弓部、胸部下行、胸腹部大動脈瘤であった。今回は、年齢等を制限せず、疾患の病因としては幅広い大動脈疾患として。次に、第2段階として、手術時に摘出した大動脈瘤壁から、歯周病菌をはじめとする細菌の大動脈瘤壁内局在、および嫌気培養と蛍光免疫染色による“生きた”歯周病菌の検出を行った。嫌気培養は最大3週間の長期培養とした。液体培地に濁りが認められた検体で、細菌の単離を行った。20例中、13例の大動脈瘤患者から菌が同定された。それらの検体から、16SrRNA領域をユニバーサルプライマーを用いて、PCRを実施した。増幅した断片の塩基配列から、細菌を同定した。現在までのところ、Staphylococcus属やPropionibacterium acnesが検出された。大動脈瘤壁内における細菌の局在同定を蛍光免疫染色で試みているが、客観的に評価できる陽性所見が未だ得られておらず、特殊蛍光免疫染色の条件設定を確定させるために、種々の条件下での実験を反復してきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの検体からは、歯周病菌は検出されず、Staphylococcus属やPropionibacterium acnesが検出された。後者は、閉塞性血栓血管炎の原因菌であることが近年発表されており、今回の対象患者における動脈瘤形成と病態悪化に関連している可能性も疑われた。
蛍光免疫染色による大動脈壁内における細菌の局在同定を試みたが、蛍光免疫染色の条件設定が確定せず、現在まで試行錯誤している。

今後の研究の推進方策

本年度の研究では、大動脈瘤の病因に関わらず検体摘出を行い、実験に供与したが、今後は、大動脈解離や炎症性大動脈瘤を除外し、動脈硬化性大動脈瘤に限定したサンプリングを行い、嫌気培養の最適化と安定化を図った上で、検出菌特異的な蛍光免疫染色による大動脈壁内における細菌の局在同定を試みる方針としている。

次年度の研究費の使用計画

本年度は、蛍光免疫染色による大動脈壁内における細菌の局在同定を試みたが、蛍光免疫染色の条件設定が確定せず、細菌陽性の大動脈壁に対する蛍光免疫染色を次年度に持ち越したため、その費用を繰り越すことになった。
今年度は、動脈硬化性大動脈瘤に限定したサンプリングを行い、検出菌特異的な蛍光免疫染色を最適化し、動脈壁内における細菌の蛍光免疫染色による同定を試みる方針としている。またさらに、ラット腹部大動脈瘤モデルへの歯周病菌感染実験と分子機序解明への動物実験も並行して開始する。従って、動物実験のため動物購入費、試薬、DNA microarrayを用いた歯周病菌による大動脈瘤形成の分子機序解明使用されるRNA Amino-allyl MessageAmp aRNA kitの購入費に充当する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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