研究課題/領域番号 |
25462158
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石田 敬一 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (40375671)
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研究分担者 |
石坂 透 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10372616) [辞退]
松宮 護郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20314312)
黄野 皓木 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40375803)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 細胞外マトリックス分解酵素 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症における血栓器質化機序、特に細胞外マトリックス分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼの役割と手術成績や術前画像所見との関連を明らかにすることである。 今年度は、さらに症例を増やし免疫染色を行い検討した。MMP-2は発現がみられなかった。MMP-9は器質化血栓のごく一部で発現がみられた。しかしながら、頻度は低く、発現がみられない症例も多く存在した。発現がみられた症例と手術成績や術前画像所見との関連はみられなかった。 中枢と末梢の器質化血栓は構造が異なり、中枢の組織標本では、内弾性版の内側に繊維組織が存在するが、再血管疎通像は存在しなかった。一方、末梢の組織標本では、細胞成分に乏しく、弾性繊維、コラーゲン組織の様々な分布で存在し、再血管疎通像が多くみられた。弾性繊維が少ない症例では組織が脆弱で遺残肺高血圧症を合併した。しかし、遺残肺高血圧症は他の症例でも合併しており、弾性繊維量だけでは説明できなかった。 術前画像と摘出された標本の比較では、肺動脈造影検査や造影CT検査で末梢(区域枝以遠)の器質化血栓は多くの場合、診断が困難であったが、web/bandの存在は肺動脈造影検査では過小評価するが、造影CT検査では診断が可能な場合が多くみられた。 血栓の器質化機序において、細胞外マトリックスプロテアーゼの関与は低く、器質化血栓の性状を術前の肺動脈像検査や造影CT検査では予測することは困難であった。
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