研究課題
本研究は、腹部大動脈瘤形成および進展と肥満、メタボリックシンドロームとの関連を明らかにすることにある。マウス腹部大動脈瘤モデル作成を確立しインスリン抵抗性改善作用薬の一つPPAR-ガンマagonistの動脈瘤抑制効果を見出した。PPAR-ガンマ agonist投与により、強力な抗炎症作用を有するアディポネクチンの血中濃度が増加していたことから、アディポネクチン遺伝子欠損マウスを用いて、その機序を検討した。アディポネクチン遺伝子欠損マウスの動脈瘤径は、野生型マウスと同程度であったことからPPAR-ガンマ agonistの大動脈瘤抑制効果は、アディポネクチン非依存性であると考えられた。(PPAR-ガンマ agonistによる大動脈瘤形成抑制効果)マウスはCacl2塗布により腹部大動脈瘤モデルを作成。PPAR-ガンマ agonist(ピオグリタゾン)投与群とコントロール投与群の2群に分け経口投与を行った。術後6週後に動脈瘤径の比較検討を行ったところ、PPAR-ガンマ agonist投与群では、有為に大動脈瘤径を抑制していた。(PPAR-ガンマ agonistによる大動脈瘤形成抑制効果の機序検討)PPAR-ガンマ agonist投与後のマウスアディポネクチン濃度を測定したところ、1.8倍増加していた。アディポネクチン遺伝子欠損マウスに LPSを投与したところ、アディポネクチン遺伝子欠損マウスでは、心血管組織でのTNFアルファやIL-6などの炎症性サイトカインの増加を認めた。次にアディポネクチン遺伝子欠損マウスを用いてCacl2塗布腹部大動脈瘤マウスモデルを作成した。しかしながらアディポネクチン遺伝子欠損マウスの大動脈瘤径は、野生型マウスの大動脈瘤径と同程度であった。以上からPPAR-ガンマ agonistの動脈瘤抑制効果は、アディポネクチン非依存性であると考えられた。
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