研究課題/領域番号 |
25462162
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
桂 春作 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40457304)
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研究分担者 |
細山 徹 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20638803)
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
濱野 公一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60263787)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 低酸素プレコンディショニング / 末梢血単核球 / 前臨床試験 |
研究概要 |
麻酔下で耳静脈より採取した血液を比重遠心法を用いて細胞画分に分離し末梢血単核球を単離した。単離したウサギ末梢血単核球を2%酸素の低酸素条件で一晩培養したのち、コラーゲンコートした培養皿に播種し接着性を確認したところ、通常条件で培養したウサギ末梢血単核球と比較して有意に接着性が増加していた。同様に、細胞遊走に関与するCXCR4遺伝子発現、酸化ストレス抵抗性の増加も認めた。本研究は中型動物を用いた前臨床試験の位置づけであり、ウサギ末梢血単核球における低酸素プレコンディショニングの有用性が認められたため、さらにヒト末梢血単核球における細胞機能増強効果を検証した。その結果、ウサギ同様に酸化ストレスに対する抵抗性の増加など細胞機能の増強が確認できた。またヒト末梢血単核球では、ELISAにより血管新生因子VEGFの測定を行ったが、低酸素条件下で培養したヒト末梢血単核球においてVEGFの有意な増加が認められた。本研究成果は、これまでに我々が推進してきた小動物を用いた研究成果と同等なものであり、自己の末梢血単核球を用いて自家移植を行う次年度以降に期待の持てるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた中型動物からの末梢血単核球の単離および低酸素刺激による細胞機能増強の試みについて、期待通りの成果が得られたことから概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の結果をもとに、機能増強した自己末梢血単核球のウサギ下肢虚血モデルにおける血管新生効果を検証していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた血管新生因子群(VEGF、bFGF)の測定が、ウサギ検体に用いることのできるELISAキットがない為に行えず繰り越し金が発生した。 初年度に計画していたELISAによる血管新生因子の測定を変更し、次年度には当初計画していなかったFACS解析などを行い、ウサギあるいはヒト末梢血単核球に対する低酸素プレコンディショニングの細胞のキャラクター変化について検証するための費用に充てる。
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