研究課題/領域番号 |
25462162
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
桂 春作 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40457304)
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研究分担者 |
細山 徹 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20638803)
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
濱野 公一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60263787)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重症下肢虚血 / 末梢血単核球 / 低酸素プレコンディショニング |
研究実績の概要 |
重症下肢虚血は、糖尿病や閉塞性動脈硬化、膠原病などによって生じる疾患であり、超高齢化社会において看過することはできない。しかしながら、本疾患に対する効果的な治療法はなく、指や四肢の切断に至るケースが頻発する。これまでに我々は、骨髄単核球細胞や末梢血単核球を重症下肢虚血患者に移植する細胞移植療法を世界に先駆けて実施し、本領域を長年リードしてきた。しかしながら、これらの細胞を単純に移植するだけでは、患者の虚血肢に新たな血管を新生させるには至らず、新たな方法を模索してきた。 平成25年度より、重症下肢虚血に対する新たな細胞移植治療法の開発に取り組み、ウサギおよびヒト末梢血単核球細胞に対する低酸素プレコンディショニング法の細胞機能増強効果について検証してきた。平成27年度には、ウサギ下肢虚血モデルに対する機能増強した自家細胞移植を実施し、血管新生効果および血流改善効果を確認した。また、ヒト末梢血単核球細胞を下肢虚血ヌードマウスへ移植し、その治療効果についても確認した。ウサギおよびマウスを用いた実験では、機能増強を施していない通常の末梢血単核球との比較も行っており、いずれの動物種においても低酸素刺激により機能増強した末梢血単核球細胞の移植によってより高い治療効果が得られている。これらの結果は、本法が実臨床において極めて有望な治療法になり得ることを示しており、山口大学附属病院において臨床試験を開始した。
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