研究課題/領域番号 |
25462167
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉武 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70327550)
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研究分担者 |
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50226247)
高木 秀暢 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20594683)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胸部大動脈瘤 / 脊髄保護 / 硬膜外クーリング |
研究概要 |
実験動物としては,swine(35~40kg) をA群、B群の2群にわけた。swineを全麻、挿管下にて手術。滅菌下において右側臥位にし、L1/L2の椎弓間より経皮的にCooling catheterを挿入し、透視下にて尾側から頭側へ向かい、Th7のレベルまで挿入する。脳脊髄液(CSF)温度測定プローベ付きのドレナージチューブを硬膜下腔に挿入し、CSF温度を経時的に計測する。A群では持続的硬膜外クーリングは行わず、B群では持続的硬膜外クーリングを行う。大動脈を左鎖骨下分岐部直下にて遮断、血流を遮断する。Catheter内に冷却水(4℃)を循環させるcooling時間は、遮断30分前より, 大動脈遮断30分間、および遮断解除後30分間(post cooling)とした。血流を再開後、胸壁を3層に閉じた。術中MEPにて60秒毎にMEPのamplitudeおよびlatencyを記録した。神経学的所見をTarlovのmodified scoreに従い、手術後、12、24、48時間後の各時点において、評価した。以前行った際にはCSFを用いてなかったために30分で対麻痺モデルとなったが、本研究においてコントロール群(A群)ではCSFの影響で30分では対麻痺にならず、35分と時間を延長した。現在4頭で行っているが、全例A群では対麻痺となり、B群では対麻痺になっておらず、カテーテルによる脊髄保護効果が現れている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では、コントロール群の遮断を30分としていた。通常の遮断のみで、中等度低体温下の状況では30分遮断で対麻痺となっていたが、CSF併用モデルにした場合、CSFの効果で30分では対麻痺が起らず、コントロール群の時間設定の変更を余儀なくされた。そのため、遮断時間を35分に延長したモデルを行ってみたが、対麻痺となったため今後35分モデルとして実験を遂行することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は遅れを取り戻すとともに、現在の研究を遂行する。具体的には実験動物としては,swine(35~40kg) をA群、B群の2群にわける。swineを全麻、挿管下にて手術。滅菌下において右側臥位にし、L1/L2の椎弓間より経皮的にCooling catheterを挿入し、透視下にて尾側から頭側へ向かい、Th7のレベルまで挿入する。脳脊髄液(CSF)温度測定プローベ付きのドレナージチューブを硬膜下腔に挿入し、CSF温度を経時的に計測する。A群では持続的硬膜外クーリングは行わず、B群では持続的硬膜外クーリングを行う。大動脈を左鎖骨下分岐部直下にて遮断、血流を遮断する。Catheter内に冷却水(4℃)を循環させるcooling時間は、遮断30分前より, 大動脈遮断35分間、および遮断解除後30分間(post cooling)とし、術中MEPにて60秒毎にMEPのamplitudeおよびlatencyを記録する。神経学的所見をTarlovのmodified scoreに従い、手術後、12、24、48時間後の各時点において、評価する。手術後、HE染色およびNissle染色にて固定したのち光学顕微鏡で病理組織学的検索を行ない、一部の組織は固定後、電子顕微鏡でDNAのfragmentationについて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究実施計画の遅れから組織学的検査が行えなかったため。未使用額の発生は、効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品に充てる予定である。 当初予定していた組織学的検査をとりやめた為、25年度の研究費に未使用額が生じたが、26年度に行う予定の研究計画とあわせて組織額検査を実施する。
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