研究課題/領域番号 |
25462168
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
西部 俊哉 東京医科大学, 医学部, 教授 (10261306)
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研究分担者 |
荻野 均 東京医科大学, 医学部, 教授 (60393237)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 人工血管 / フィブロネクチン / ヘパリン / 共有結合 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、内皮細胞の形成促進作用を発揮するフィブロネクチンと抗凝固作用を有するヘパリンをモザイク状に多孔質ePTFE人工血管に結合させて、抗血栓性を損なわずに内皮細胞に覆われた血管壁を効率良く作成することである。 これまで、既存のePTFE人工血管を使用して、フィブネクチン(2014年度)と未分画ヘパリン(2015年度)の共有結合条件を決定してきたが、いずれも同じ条件で共有結合が可能であることが判明した。 以下に得られた共有結合の手順を示す。ePTFEとフィブネクチンや未分画ヘパリンは直接結合できないので、医療材料として使用されているメタクリル酸を介して結合する。アルゴン雰囲気下において、n-ブチルリチウム溶液とヘキサメチルホスホルアミドの混合溶液を作成する。混合溶液にePTFE人工血管を浸漬する。ePTFE人工血管から反応溶液を除去し、テトラヒロドロフランで洗浄し、メタクリル酸を反応させる。混合物を蒸留水で洗浄して水溶性の不純物を除去し、エタノール、アセトンで洗浄して有機系の不純物を除去する。ポリメタクリル酸グラフト重合ePTFE人工血管に、1-エチル-3-(ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド存在下でフィブロネクチンまたは未分画ヘパリンを反応させて、蒸留水で洗浄し、フィブロネクチンまたは未分画ヘパリン共有結合ePTFE人工血管が作成される。 フィブロネクチンと未分画ヘパリンのモザイク状の固定であるが、フィブロネクチンがヘパリンと結合する部位があり、今後の検討課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は最終年度でしたが、以下の理由で遂行状況に遅れがみられています。そのため研究期間の延長申請を行いました。
基材になる人工材料・血管について 株式会社ハイレックスコーポレーションより極めて多孔質なexpanded polyteterafluoroethylene (ePTFE)人工血管を入手する予定でしたが、2015年9月に医薬品医療機器総合機構より承認されたハイレックスグラフト(機械器具7内臓機能代用器 高度管理医療機器 非中心循環系人工血管35281003)が住友電気工業の開発品と全く異なるものと判明し、入手に支障を来しています。ハイレックスコーポレーションに確認したところ医薬品医療機器総合機構の承認範囲内の人工血管は作成できたが、住友電工の開発品を再現することができなかったということでした。
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今後の研究の推進方策 |
研究の基盤になる材料の入手に支障があり、研究が遅れています。 1)基材になる人工材料・血管の供給について 同材料は本研究提案に必要不可欠なものなので、以前の住友電気工業の共同開発者にサンプルを依頼する予定です。住友電気工業はハイレックスグラフトの製造に関わる特許をハイレックスコーポレーションに譲渡した会社であり、以前テクノグラフト(国産唯一のePTFE人工血管)を製造していました。住友電気工業は人工血管事業を終了していますが、ある程度のサンプルは所有していると思われます。 2)研究施設 これまでの施設が使用できなくなったことなどから、ハイレックスコーポレーションに施設の提供を依頼しています。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度で研究計画は終了する予定でしたが、基材となるePTFE人工血管の入手が困難であり、研究計画が遅れています。また、これまでの施設が使用できなくなったことより、本年度に共有結語固定の試薬・備品を購入しています。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度は必要とされる試薬・備品の追加購入に使用する予定です。
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