研究課題/領域番号 |
25462171
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
酒井 光昭 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (60375508)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | エアリーク / 肺瘻 / 気漏 / 肺手術 / 肺 / 気胸 / 胸腔 / ドレーン |
研究実績の概要 |
研究目的①に関しては一昨年度までに研究を完了した. 研究目的②の「機器の小型化とデータの無線送信化を施し臨床測定上の安全性を確保する」については昨年度も引き続き臨床使用に耐えうる性能を発揮するための研究を行った.イルリガートル(点滴棒)にドレナージユニットを取り付けて無線送信する装置では.データ転送に電池容量と機器重量が大きくなってしまった.データ送信せず危機に蓄積する形ではモニタリングが不可能でリアルタイムに病状を把握することができなかった.したって本学のシステム情報工学系の協力を仰ぎ,新システム(詳細は検討中)においてのエアリーク測定の正確性と耐久性と省電力性を試みて,既存システムとの比較検討を行うことになっており,実験の準備を開始した. また当初に開発した光学的測定によるモニタリングシステムの省電力化と小型化に関しては本学産学連携本部の協力を仰ぎ,企業にプロトタイプ作成を依頼することを継続して行っている. 研究目的③の「肺切除後の患者さは肺瘻・気胸患者に対して実際に測定する臨床試験を行う」については,今後,エアリークモニターのプロトタイプを制作した後に行う予定としている.また上記実験と並行させながら,PMDA(医薬品医療機器総合機構)などに相談していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イルリガートル(点滴棒)にドレナージユニットを取り付けるための電池について,患者の病棟内異動を妨げたり,担当や水漏れ時にも危険が及ばないような物,形状の開発,工夫がうまくいっていない.基礎技術はほぼ確立したが,安全性の確立とデータ転送方法の確立が遅れている.基礎技術の臨床応用への限界の可能性もあり,別の測定方法を行う実験を開始する準備を始めている. また製品プロトタイプを作成してくれる企業の探索に時間を要している状態である.しかし最近,本学産学連携本部の協力を得て,プロトタイプを作成してくれる可能性を持つ企業が現れたため,今後は産学連携による機器作成も検討する.
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今後の研究の推進方策 |
基礎技術が確立された既存の光学的測定方法のプロトタイプ作成に関しては本学産学連携本部技術移転マネージャーの協力を得て,興味ある企業が複数社手を挙げてくれた.現在,交渉中である.今年度中には企業選択を行いプロトタイプ作成に着手したい. 新システムでの測定に関しては本学システム情報工学系研究室に相談しているところである.流体力学的な見地からの新しい測定方法を検討する実験を計画している最中であり,基礎実験に着手する. 以上の2本立てで研究を推進していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
光学的測定の基礎技術はほぼ確立したが,臨床使用に耐えうる安全性,耐久性,軽量化などの工夫がなかなかうまくいかない.製品プロトタイプを作成してくれる企業の探索に時間を要した(今年度の企業との交渉は先方の都合で破談となった).
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次年度使用額の使用計画 |
既に本学産学連携本部の協力を得て,複数企業との協議が始まっており,なるべく早期に製品化ラグを解消し,プロトタイプ制作のための研究を行いたい.プロトタイプが出来た際には,機器の臨床試験のための安全性試験や医薬品医療機器総合機構(PMDA)での医療機器開発前相談(有料)や医療機器安全性確認相談(有料)に使用したい.また新システム測定の実験を開始するので,その実験費にあてたい.
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