研究課題
平成25年度の実験としては肺虚血障害モデル・死体肺移植モデルにおいて、単離・培養した2型肺胞上皮(ACE-II)細胞投与による組織学的変化、生着・増殖分布を捉え、再生能の可能性を探ることを主とする実験計画を行った。まず、F344雌ラットによる左肺血流および換気を遮断する肺虚血モデルを作成し、再潅流を施行した。再潅流によって傷害を受けた気管支・血管周囲は浮腫になり、5型コラーゲン[col(V)]が暴露されるという潅流傷害を再確認した。そのモデルにおいて、同系雄ラットから単離・培養したACE-II細胞を経気道的に投与し、1カ月後に犠牲死させ、虚血潅流傷害を与えた肺について組織学的に検討した。HE染色および免疫組織化学染色によりACE-II細胞の生着と考えられる部位を確認した。ACE-II細胞の培養を行い、純度の高いACE-II細胞に対し、Lipofectamineを使用してluciferaseをトランスフェクションする実験を試みている。また、cell lineを用いて、IVIS; Lumina-II(Xenogen / Caliper)による細胞の発光をwell上で測定する前実験を行い、ACE-II細胞に対して行えるように試みている。
3: やや遅れている
実験施設の施設内整理などにより、本実験を行うにあたり実験室の整備が遅れてしまった。このため、培養などを用いた前実験を行いながら、動物実験室の整備を並行して行ってきた。また、トランスフェクションを行うにあたり、十分な細胞数を準備する必要があり、試行錯誤を重ねたため時間を要してしまった。
今後、経気道的に投与したACE-II細胞の生着をY染色体発現によるFISH法で確認を行う。また、ACE-II細胞に対してluciferineをトランスフェクションし、well上での確認と、正常ラットにおける尾静脈投与によるIVIS; Lumina-II(Xenogen / Caliper)を用いた分布を探る。さらに、肺虚血モデルにおいて同様の実験を行い、その分布を確認する。さらには肺移植モデルにおいても同様のことを行う。続いて、26年度に計画していた実験を推進するにあたり、マウスモデルについて25年度実験計画と同様のことをマウスにおいて行う。マウス肺移植モデルは当施設では既に確立されており、当初の25年度計画の遅れを取り戻せば、順調に進むものと考えている。
実験施設の施設内整理などにより、本実験を行うにあたり実験室の整備が遅れてしまったことが最大の理由である。そのため、培養などを用いた前実験を行いながら、動物実験室の整備を並行して行ってきた。実験室の整備が落ち着いてきたので、今後、経気道的に投与したACE-II細胞の生着をY染色体発現によるFISH法で確認を行う。また、ACE-II細胞に対してluciferineをトランスフェクションし、well上での確認と、正常ラットにおける尾静脈投与によるIVIS; Lumina-II(Xenogen / Caliper)を用いた分布を探る。さらに、肺虚血モデルにおいて同様の実験を行い、その分布を確認する。さらには肺移植モデルにおいても同様のことを行う。続いて、26年度に計画していた実験を推進するにあたり、マウスモデルについて25年度実験計画と同様のことをマウスにおいて行う。マウス肺移植モデルは当施設では既に確立されており、当初の25年度計画の遅れを取り戻せば、順調に進むものと考えている。
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