研究課題/領域番号 |
25462173
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村川 知弘 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50359626)
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研究分担者 |
中島 淳 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90188954)
長山 和弘 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00647935)
北野 健太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70647073)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺移植 / 急性肺傷害 / 自然免疫 / 脳死 |
研究概要 |
血中遊離ヒストンには血管内皮細胞を含めた細胞障害、肺を筆頭とした組織障害を引き起こす事が外傷症例やマウス脳梗塞モデルなどで報告されている。また脳死ドナーにおいてToll-like Receptors (TLRs)を介したinnate immunityが移植後の肺機能及び拒絶に関与している可能性が指摘されている。我々は脳死患者でも血中遊離ヒストンの上昇およびそのinnate immunityの関与が肺移植後の急性グラフト不全の要因であるという仮説をたて、ラットでのヒストン肺障害モデルの作成することを目的とした。方法は、Brown Norwayラットにcalf thymus histoneを投与し肺傷害の程度を観察した。炎症性サイトカインであるCXCL1はELISA, RT-PCRともにヒストンを投与する事で上昇し、組織学にもヒストンを投与する事で肺傷害を認めた。血中遊離ヒストンによる肺障害モデルは肺移植後急性グラフト不全のモデルとなりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度では当該動物モデルの作成から始まったが、平成26年1月の第30回肺および心肺移植研究会にて研究成果の発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
ラット肺移植後急性障害モデルを確立し得たことを踏まえ、今後innate immunityの関与を中心に、当モデルドナー肺を用いた移植実験で検索していく予定である。また、当初の目標にあわせ、マウス肺移植モデルの確立、マウスモデルでの検討を進める予定である。
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