核内受容体たんぱく質であるPPAR-γの活性化は抗炎症作用や抗腫瘍効果があることが知られており,PPAR-γアゴニストを用いることで,肺癌細胞の上皮間葉移行を抑制し,結果的にがん細胞の増殖抑制できる可能性を探求した.in vitroではH358肺癌細胞株を用いた系で,PPAR-γ発現を調整する分子Nrf2の活性化薬tBHQによりわずかに上皮間葉移行が抑制された.さらに,抗線維化作用をもつピルフェニドンによる上皮間葉移行抑制を同様の実験系で継続したところ,A549およびH358肺癌細胞株で有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた.
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