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2013 年度 実施状況報告書

肺癌患者における術中胸膜浸潤の蛍光診断と胸膜下ルートを通るリンパ節転移の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25462178
研究機関徳島大学

研究代表者

滝沢 宏光  徳島大学, 大学病院, 講師 (90332816)

研究分担者 近藤 和也  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10263815)
先山 正二  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60291986)
梶浦 耕一郎  徳島大学, 大学病院, 助教 (60596253)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード肺癌 / 胸膜浸潤 / 蛍光診断 / 5-ALA / 自家蛍光
研究概要

1.SCIDマウスヒト肺癌同所移植モデルによる5-ALAを用いた胸膜蛍光診断
【方法】5匹の6週齢雄性SCIDマウスの左肺にヒト肺癌細胞株Ma44-3を同所移植した.移植2週後に10μg/gの5-ALAを経口投与し,VLD-M1(M&M社)を用いて腫瘍部位の胸膜に励起光を照射し蛍光を観察した.【結果】5匹とも肺内に腫瘍を形成した.腫瘍が胸膜表面に露出しているとその部位に一致した赤色蛍光を確認できた.腫瘍が胸膜から離れた肺内に存在すると蛍光は確認できなかった.【まとめ】SCIDマウスヒト肺癌同所移植モデルにおいて,5-ALAを用いた胸膜蛍光診断は胸膜浸潤の評価に用いることができる可能性が示唆された.
2.肺癌手術患者における自家蛍光を用いた術中胸膜蛍光診断
【対象と方法】対象は2011年10月から2013年10月までのCTで胸膜に接する末梢肺癌手術症例.術中に白色光内視鏡および自家蛍光内視鏡で胸膜浸潤の有無を評価した.白色光では術者の判断でPL1以上とした場合を胸膜浸潤有とし,自家蛍光では腫瘍部分の胸膜の自家蛍光減弱を認めた場合胸膜浸潤有とした.HE染色および弾性線維染色にて病理学的に胸膜浸潤の有無を評価した(pl1以上を胸膜浸潤有とした).病理学的胸膜浸潤の有無に対する,白色光および自家蛍光の感度,特異度,正診率を求めた.【結果】30例に自家蛍光内視鏡を用いた胸膜の観察を行った.蛍光平均年齢66.8歳(41-81歳),男/女:14/16,平均腫瘍径27mm(16-57mm),GGO無/有:16/14,腺癌/扁平上皮癌/その他:22/7/1,Pl0/1-2:22:8であった.白色光の感度75.0%,特異度54.5%,正診率60.0%で,自家蛍光の感度100%,特異度68.2%,正診率76.7%であった.【まとめ】自家蛍光を用いた胸膜浸潤の診断能は白色光に勝った.自家蛍光観察は侵襲なく簡便に行うことができ,縮小手術による根治性低下を防ぐための診断法となる可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「SCIDマウスヒト肺癌同所移植モデルによる5-ALAを用いた胸膜蛍光診断」については予定した4種の細胞株のうち1種のみしか行うことができていない.その他の計画は予定通り進展している.

今後の研究の推進方策

H26年度は「1)SCIDマウスヒト肺癌同所移植モデルによる5-ALAを用いた胸膜蛍光診断」のうちまだ施行できていない3種の細胞株についての実験を行う.また「2)肺癌手術患者における5-ALAを用いた術中胸膜蛍光診断」および「3)胸膜下ICG注入による胸膜下リンパ流の観察とセンチネルリンパ節の同定}については予定通り行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

H25年度の研究費予算に計上させていただいていたIMAGE1 H3-Z FIカメラヘッド,液体ライトガイドケーブルについては,現在メーカーからの貸与を継続して受けることができており,早急に購入する必要に迫られていないため今年度の購入は見合わせた.
IMAGE1 H3-Z FIカメラヘッド,液体ライトガイドケーブルについて,H26年度以降の貸与期間は今後メーカーとの交渉により決まる見込みであり,必要が生じた際に購入を検討する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 自家蛍光観察による胸膜浸潤の術中診断精度向上にむけた取り組み2014

    • 著者名/発表者名
      滝沢宏光、近藤和也、梶浦耕一郎、坪井光弘、森下敦司、鳥羽博明、中川靖士、吉田光輝、川上行奎、先山正二、丹黒 章
    • 学会等名
      第37回日本呼吸器内視鏡学会学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20140414-20140415
  • [学会発表] 肺癌区域切除におけるリンパ節転移と胸膜浸潤の術中診断精度向上に向けた取り組み2014

    • 著者名/発表者名
      滝沢宏光、近藤和也、梶浦耕一郎、坪井光弘、鳥羽博明、中川靖士、吉田光輝、川上行奎、先山正二、丹黒 章
    • 学会等名
      第114回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館、グランドプリンスホテル京都(京都府)
    • 年月日
      20140403-20140405

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公開日: 2015-05-28  

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