研究課題/領域番号 |
25462184
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
神山 育男 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70317147)
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研究分担者 |
河野 光智 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10276272)
羽藤 泰 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10365281)
後藤 太一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80317148)
鈴木 繁紀 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80645672)
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90201227)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺癌 / 転移性肺腫瘍 / ストローマ細胞 |
研究概要 |
平成25年度の目標は、マウスモデルで静脈血中に癌細胞とともに放出されるストローマ細胞を検出、解析する方法を確立することであった。具体的には、1,赤色蛍光蛋白DsRedに標識されたマウス肺癌細胞株をGFPマウスの肺或いは腎臓に移植し、ストローマ細胞が緑色蛍光蛋白に標識された腫瘍を発育させる、2,肺静脈或いは腎静脈にカニュレーションし、持続採血し、蛍光顕微鏡で癌細胞とストローマ細胞が収集されていることを確認する、3,セルブロック法を用いて静脈血中の細胞を効率よく収集してパラフィンに包埋する、4,ストローマ細胞のマーカーを用いて免疫染色し、収集された細胞の解析を行う、5,転移能の異なる癌細胞株で比較し、検討する、ことである。現在実験モデルの確立のため、1,3につき準備を行っている。 1,マウス肺癌細胞株の培養を行った。肺に移植するため肺癌細胞株をマトリゲルに懸濁し肺内に注入する。生着率、癌細胞の成長を観察中である。 3,マウスの静脈血を採取しセルブロックを作成する手技を試行している。マウスの頚動脈にカニュレーションし、採血する。遠心し上清を採取し、コロジオン法によりセルブロックを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1, 赤色蛍光蛋白に標識された癌細胞株の樹立を目指している マウス肺癌細胞株Lewis lung carcinoma(LLC)を、レトロウィルスベクターを用いた方法にて赤色蛍光蛋白DsRedで遺伝子標識する。現在のところ標識が確認されていない。 3, セルブロックの作製 セルブロック作製法にはクライオバイアル法やコロジオンバック法など、いくつかの方法がある。また、採取された血液を無処理で標本作成すると、赤血球と有核細胞が重なり観察しづらい標本となり、癌細胞やストローマ細胞を見落とす危険性が高くなる。そこで有核細胞を効率よく集めるため、検体を一度遠心した後、沈渣の状態を確認し、必要に応じて適切な赤血球を除去するための検体処理法を選択する。遠心後、バフィーコート層が明瞭であれば、その部位より細胞を採取しセルブロックを作製する。バフィーコート層が不明瞭な場合は赤血球層以外の上清部を採取し、必要に応じて二重遠心法或いは溶血法を選択する。適切な方法につき検討中である。 まずコロジオン法でセルブロックを作成している。赤血球が重なり標本が観察しにくいため、遠心の方法等に改善を加えている。
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今後の研究の推進方策 |
マウスを用いた実験では、静脈中に放出される癌細胞やストローマ細胞が寡少なため、蛍光色素で確認されたにも関わらず、収集出来なかったり、セルブロック作製の途中で失われる可能性がある。必要に応じて二重遠心法或いは溶血法を用いて血液中から確実に癌細胞とストローマ細胞を収集する。またセルブロック作製法にはナイロンメッシュ法やセルロース法などもあるので最適な方法を選択する。
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次年度の研究費の使用計画 |
未使用学の発生は、効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である。 当初予定していたストローマ細胞関連抗体を用いた免疫細胞化学染色の実施が遅れたため、25年度の研究費に未使用が生じたが、26年度に行う予定の研究計画とあわせて実施する。
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