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2013 年度 実施状況報告書

CAGE法によるRNA解析を用いた肺原発扁平上皮癌に特異的なマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25462185
研究機関順天堂大学

研究代表者

高持 一矢  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30397369)

研究分担者 鈴木 健司  順天堂大学, 医学部, 教授 (10415523)
向後 泰司  独立行政法人理化学研究所, その他部局等, その他 (20462682)
河合 純  独立行政法人理化学研究所, その他部局等, その他 (30391923)
王 志明  順天堂大学, 医学部, 准教授 (50306958)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード国内共同研究
研究概要

1. 肺癌切除97例(扁平上皮癌22例、腺癌75例)から得られた凍結切片よりRNAを抽出し、CAGE解析法を用いて転写開始領域(Transcript Start Site;TSS)付近の発現状態をシーケンス情報として網羅的に解析した。その結果、特定の転写開始領域を含むDNAの発現レベルが両者の間で有意に異なり、これを指標として、当該扁平上皮癌と腺癌を判別できることを見出した。
2. 扁平上皮癌と腺癌の鑑別が困難になるのは、微小な生検検体から病理診断(形態学的組織診断)を行わなければならない場合や、癌の分化度が低分化で組織学的特徴に乏しい場合である。具体的には、角化や細胞間橋がほとんど認められない低分化扁平上皮癌と、肺胞上皮置換性に癌細胞が増殖する部分の認められない腺癌では、(とくに検体が微小な場合には)非常に鑑別が困難になる。今回のCAGE解析法による網羅的解析によって見出されたマーカーの内、4つの新規マーカーは単なる扁平上皮癌と腺癌の鑑別のみならず、低分化な癌であっても鑑別も可能にすることを明らかにした。
3. 既存の鑑別マーカー(扁平上皮癌:CK5, CK6, p63, p40, Desmoglein-3、腺癌:TTF-1, Napsin A)と比べて、今回見出された4つの新規マーカーは扁平上皮癌と腺癌の間でのDNAの発現レベルの差が大きく、より有用なマーカーである可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究のIRB承認手続きや、研究基盤の整備などが順調に進んだことや、理研におけるCAGE解析においても有用なマーカーの候補が多数見出されたため、現時点では当初の計画通り順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本年度CAGE解析法にて見出された新規マーカーについて、RT-PCRによるValidationを行い、さらに免疫組織染色が可能なマーカーについては日常臨床における利便性を考慮し、またValidationも兼ねて検討する。
1. RT-PCR
最適なプライマー、RT-PCRの条件を設定し、CAGE解析法で用いた残余の腫瘍RNAを用いた発現解析を行い、CAGE解析法の結果との対比を行う。
2. 免疫組織染色
理想的には、生検組織でも診断可能な腫瘍全体に均一に染まるような抗体を探し、安定した染色の条件設定を行う。

次年度の研究費の使用計画

既存の消耗品の利用で実験を進められたので、消耗品購入額が当初の予定より抑えられたため
次年度の研究試薬などの消耗品の購入に使用予定

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公開日: 2015-05-28  

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