研究課題
非小細胞肺癌、悪性胸膜中皮腫におけるEGFRfamily受容体を介した免疫逃避機構の解明とその克服について研究を行ない、以下の事象を明らかにした。Project 1. 非小細胞肺癌細胞株を用いてEGFR標的薬剤はNKG2Dリガンド発現量を低下させNK細胞傷害活性を減弱させること、EGFR受容体を介したNKG2Dリガンド減弱にはEGFR/PI3K-AKT/microRNA-20が関与することを示した。一方、殺細胞型抗腫瘍薬GemcitabineはNKG2Dリガンドの発現量を増やし、NK細胞傷害活性を増強させるが、NKG2D発現量増加にATM-ATR経路が関わることを明らかにし、報告した.Project 2. 非小細胞肺癌切除検体91例の解析で、腫瘍組織に発現するNKG2DリガンドMICA/B強発現が独立した予後良好予測因子となることを明らかにした.加えて、非小細胞肺癌治療におけるキードラッグであるシスプラチンにもNKG2Dリガンド発現量を増加させ、NK細胞傷害活性を増強させる作用があることを見出した.Project 3. 悪性胸膜中皮腫細胞株において、dual EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害剤lapatinibはHER2発現を増加させ、抗HER2抗体存在下に抗体依存性細胞傷害活性を増強させることを見出し、報告した.
研究者の所属研究機関ならびに海外研究協力者であるカロリンスカ研究所腫瘍病理部門 Rolf Kiessling教授の研究室webページにも研究成果が掲載されており、国内のみならず広く世界中の研究者に向けて成果を発信している。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
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http://ki.se/en/onkpat/rolf-kiesslings-group