研究課題/領域番号 |
25462191
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
宗 知子 産業医科大学, 医学部, 助教 (00341529)
|
研究分担者 |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
近石 泰弘 産業医科大学, 医学部, 新病院建設準備室本部員 (70609221)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90389445)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 肺癌 / 循環腫瘍細胞 / EpCAM / 細胞分離 / 細胞分離用磁性粒子 / 上皮間葉系移行(EMT) / 悪性胸膜中皮腫 |
研究概要 |
肺癌における循環腫瘍細胞の高感度検査法の確立(宗 知子) 研究実績の概要(600-800字) 循環腫瘍細胞(circulating tumor cells; 以下CTC)は原発巣や転移巣から遊離し、血中に浮遊するがん細胞を指す。CTCの検出法として半自動化システムであるCellSearch systemが多く用いられており、乳癌、大腸癌、前立腺癌では既に臨床応用されている。しかし、肺癌での検討ではその感度と精度は十分ではなく、その原因の1つとしてCellSearch systemではEpCAM陽性のCTCのしか検出できず、上皮間葉系移行(EMT)を来した細胞は検出されないことがあげられる。 今回われわれは、磁気ビーズ(Magnosphere™ MC粒子、JSR)と抗EpCAM抗体を始めとする二次抗体を組み合わせてCTCを検出し、高感度の検査法の確立を目指す。本法の最大の長所としてmouse IgGのサブタイプの抗体であればいずれの抗体も磁気ビーズと結合可能であるため、種々の表面マーカーでの細胞の検出が可能であるという汎用性があげられる。本法を用いた肺癌患者におけるCTCの標準的な検査法の構築を目的とする。 現在健常人末梢血に肺癌細胞株を添加した実験モデルでCTCの検出感度を検証中である。全血に添加した腫瘍細胞をMagnosphere™ MC粒子に抗EpCAM抗体をラベルしたものを用いて分離した結果、48〜81%の捕捉率であった。他のCTC検出法としてCellSearch, CTC chip、RosetteSep、Screen cell等との比較につき計画中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
磁気ビーズ(Magnosphere™ MC粒子)を用いた方法を始めとして、CTC Chip、CellSearchを用いたCTCの検出も行っており、検出感度について比較可能と思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
健常人末梢血に肺癌細胞株を添加した実験モデルで腫瘍細胞の捕捉率の再現性が確認できた段階で、肺癌患者末梢血を用いた循環腫瘍細胞の同定を試みる。 磁気ビーズ(Magnosphere™ MC粒子)を用いた方法のみならず、他のModalityと比較する。特に今後はCTC Chipと磁気ビーズを組み合わせた方法の開発に取り組む予定である。
|