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2015 年度 実績報告書

ALK肺癌の阻害薬耐性機構の解明とその克服

研究課題

研究課題/領域番号 25462193
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

横井 左奈  千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター, 部長 (30372452)

研究分担者 飯笹 俊彦  千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 診療部長 (10272303)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード肺癌
研究実績の概要

受容体型チロシンキナーゼanaplastic lymphoma kinase(ALK)の融合遺伝子を有する肺癌は、ALK阻害薬であるクリゾチニブが著効を示す。しかし、他の分子標的薬と同様に薬剤耐性例が経験され、長期の生命予後改善は得られていない。そこで我々は、ALK転座肺癌に見られる、チロシンキナーゼ群以外の側副経路を探索し、セカンドラインの治療標的を同定することを目的とした。
1.臨床検体において解析結果を検証するために、肺癌組織の初代培養法を改良し、症例の生細胞の保存を進めた。
2.ALK転座肺癌に共通した分子経路を同定するために、国際的ながんのゲノムデータベースであるTCGAに登録されている肺癌500症例のSNPアレイ、全エクソーム、全RNAシークエンス、マイクロRNAアレイの解析情報、臨床情報を用いてオミックス解析を行った。約250例の肺腺癌のRNAシークエンスデータからALKの各exonの発現量をプロットし、発現差によりALK転座症例をスクリーニングした。同定したALK転座群(class I)10症例 と、対照としてALKのエクソン全体が発現亢進している非転座発現亢進群(class II)7例の発現データのクラスタリング解析を行った。その結果、class Iおよび IIにおいて2倍以上の発現差を認めた遺伝子はそれぞれ468個、349個であり、共通するものは22遺伝子のみであった。class Iに特異的な遺伝子と、これまでに見出した自験例のアレイCGH解析による標的領域とに重複する遺伝子を絞り込んだ。このうちの1つの遺伝子は、ALK転座症例の共通欠失領域に座位し、ゲノム欠失とDNAメチル化により発現が低下していた。ALK転座陽性肺癌細胞株H2228においてこの遺伝子を過剰に発現させると、細胞の増殖は有意に低下した。またこの遺伝子の発現が低下すると有意に予後不良であったため、ALK転座肺癌における新規の治療標的候補分子と考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 染色体転座により発現制御をされるALK関連分子の解析2015

    • 著者名/発表者名
      横井左奈、兼松宗太郎、近藤仁美、末永雄介、木村秀樹、飯笹俊彦
    • 学会等名
      第62回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      2015-11-19 – 2015-11-22
  • [学会発表] Frequent somatic mutations in neuroendocrine differentiation-related pathways in SCLC-transformed lung adenocarcinomas2015

    • 著者名/発表者名
      Yusyke Suenaga, Masato shingyoji, Mamoru Kato, Isao Kurosaka, Miki Ohira, Tishihiko Iizasa, Hiroki Nagase, Sana Yokoi
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第60回大会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2015-10-14 – 2015-10-17
  • [学会発表] 染色体転座に伴ってゲノム・エピゲノム制御を受けるALK関連分子の解析2015

    • 著者名/発表者名
      横井左奈、兼松宗太郎、近藤仁美、大塚紀子、末永雄介、木村秀樹、飯笹俊彦
    • 学会等名
      第74回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2015-10-08 – 2015-10-10
  • [学会発表] Frequent somatic mutations in neuroendocrine differentiation-related pathways in SCLC-transformed lung adenocarcinomas2015

    • 著者名/発表者名
      Yusyke Suenaga,Masato shingyoji,Mamoru Kato,Isao Kurosaka,Miki Ohira,Tishihiko Iizasa,Hiroki Nagase,Sana Yokoi
    • 学会等名
      第74回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2015-10-08 – 2015-10-10
  • [学会発表] EBUS-TBNAを利用した小細胞肺癌におけるTopoisomeraseの発現に関する検討2015

    • 著者名/発表者名
      新行内雅斗、芦沼宏典、吉田泰司、石橋史博、田村創、松井由紀子、守屋康充、飯笹俊彦、横井左奈、中島崇裕、関根郁夫
    • 学会等名
      日本呼吸器内視鏡学会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2015-06-12 – 2015-06-12

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公開日: 2017-01-06  

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