研究分担者 |
近藤 展行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50402889)
松本 成司 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60412011)
多久和 輝尚 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00412049)
橋本 昌樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40461074)
黒田 鮎美 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90642570)
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研究概要 |
1.悪性胸膜中皮腫における遺伝子(F) の作用解明 事前の実験にてH2052 がPI3K/mTOR 阻害剤に対して感受性が最も高かった。そこで我々が注目する遺伝子(F)のmRNA を測定した。H2052 では他の細胞株と比較して著明に発現が低下していた。また、western blot において(F)の発現は認められなかった。そのため、遺伝子(F)のPI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路に対する作用を検討した。(1) mRNA 測定 PI3K, mTOR mRNA 測定には7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)を使用した。PI3K に関してH2052 と比較し211H, H226, H2452, H28いずれも発現低下を認めた。mTORに関しては211H のみが発現低下していたが、残りH226, H2452, H28いずれも発現亢進を認めた。(2) Western blot 遺伝子(F)と mTOR活性の関連性をWestern blot で評価した。遺伝子(F)wild type である211H, H28 では遺伝子(F)を失活させるとmTORリン酸化は増強された。遺伝子(F)が失活しているH2052 ではmTORリン酸化の増強は認められなかった。 2.PI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路と中皮腫手術の予後の関連性 PI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路の活性と集学的治療の予後との関連性を評価するため、切除標本を用いて免疫染色を行った。phospho-S6RP陽性患者群が陰性群と比較し有意に予後が良好であった(14.4 ヶ月 対 43.6 ヶ月,P=0.03)。また、 phospho-mTOR陽性患者群が陰性群と比較し予後が良好な傾向にあった (14.4 ヶ月 対 37.1 ヶ月,P=0.08)。
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