研究課題/領域番号 |
25462202
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90389445)
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研究分担者 |
宗 知子 産業医科大学, 医学部, 助教 (00341529)
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | EML4-ALK / EGFR-TKI / 耐性 / 診断 / 循環腫瘍細胞 |
研究概要 |
肺癌の死亡数が増加し、悪性腫瘍の中で死亡率を第1位である理由はその治療抵抗性にある。近年、分子標的治療薬が開発され、ある特定の母集団に投与すれば、一定の効果があることが証明された。しかし、当初奏効してもほぼ全症例で病態はいずれ進行し、完全に治癒することはない。したがって本研究は臨床検体を利用して分子生物学的手法を駆使し、薬剤耐性の分子機構を解明し、特に低侵襲診断技術の確立さらにその臨床応用を目的とする。最近我々はオランダのNational cancer instituteと共同研究によりMED12 がTGF signaling の上流にあり、EGFR-TKI 及びEML4-ALK-TKI のみならず、MEK やB-rafの阻害薬に対しても寄与することを世界で初めて見出した (Cell 2012;151:937-50.)。現在、臨床検体を用いてin vitroの事象を検証している。 また低侵襲診断技術の確立のために、循環腫瘍細胞 (CTC)に着目した。CTC chipを用いた検出感度はPBSの場合は99%の検出率であるが、全血では85%に低下する。CellSearch systemにおいてもEpCAM陽性のCTCしか検出できず、上皮間葉系移行を来した細胞は検出されない。現在、磁気ビーズと抗EpCAM抗体を始めとする二次抗体を組み合わせるさらなる高感度検査法の確立を目指す。さらに本研究の一部として進行、再発非小細胞肺癌 (主に腺癌)に対するEGFR-TKI耐性症例のS-1+EGFR-TKI療法の第II相試験を計画し (UMIN登録000006433)、既に症例登録が蓄積されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のとおりであるが、micro arrayに関する研究が若干遅滞ぎみである。今後倫理委員会に研究内容を提出し、実施予定である(東レ株式会社 医薬・医療事業本部 バイオツール事業推進室とは具体的な手法に関して打ち合わせ済み)
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今後の研究の推進方策 |
Tissue micro arrayを利用し、EM4-ALK 及びEGFR獲得耐性症例の群間のcandidate耐性関連遺伝子の比較を行う。これにより包括的な薬剤耐性関連分子のピックアップが可能となる。次にreliable moleculesにつきendogenous な発現を生検の検体を使用してPCR-RFLP,RT-PCR, Western blottingなどにて検討する。本研究の一部として進行、再発非小細胞肺癌 (主に腺癌)に対するEGFR-TKI耐性症例のS-1+EGFR-TKI療法の第II相試験を計画し (UMIN登録000006433)、すでに症例をenrollしている。症例の蓄積と解析を行いたい
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