研究課題/領域番号 |
25462203
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉本 哲之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (50647493)
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研究分担者 |
中山 若樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40421961)
数又 研 北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
七戸 秀夫 北海道大学, 大学病院, 助教 (80374479)
寳金 清博 北海道大学, 大学病院, 教授 (90229146)
佐々木 秀直 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80281806)
伊東 雅基 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (10399850)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | もやもや病 / 家族内発症 / 表現促進現象 / コピー数多型 |
研究概要 |
平成25年度は、本研究資金(2013年度基盤研究(C))の獲得を受けて、北海道大学医学部医の倫理委員会に研究実施申請を行い、倫理審査で承認をうけた。これを受けて、平成25年8月30日から北海道大学において本研究を開始した。 第一に、診療録に基づき家族性もやもや病患者の家系調査を実施した。その結果、1980年から2014年3月までに、北海道大学病院脳神経外科で診療したもやもや病全306症例のうち、親より子の発症年齢が若い臨床的表現促進現象が確認されたのは、39症例(12.7 %;17家系・21親子)であり、本研究の対象症例と考えられた。その内訳は、母-娘10組、母-息子7組、父-娘3組、父-息子1組であった。発症時の平均年齢は、親世代41.6歳(29 - 61歳、N = 18)、子世代13.0歳(1-34歳、N = 20)であった。39症例のうち、成人発症もやもや病(発症年齢18歳以上)が24例、小児発症もやもや病(発症年齢18歳未満)15例であった。また、発症年齢の組み合わせ(親世代-子世代)は、成人発症-成人発症が5親子、成人発症-小児発症が16組であった。 第二に、ヒト末梢血白血球からゲノムDNA抽出とコピー数多型(CNV)アレイ解析を実施した。2014年3月末現在の進捗状況は、対象39症例のうち15名の被験者から文書による同意のうえ、末梢血採血を実施し、白血球の分離・ゲノムDNAの抽出と精製および品質チェックを終了した。現在までに8例分の試料についてCNVアレイ解析を終えた。日本人健常対照データ(N=43, Affymetrix社提供)としてCNVを検出した結果、全体で38カ所のCNV変異領域が同定された。今年度もさらに既に判明している対象症例に加え、新規に診療を開始する症例でも対象に当てはまれば加えて、症例数を増やしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度計画のうち、家族性もやもや病患者の家系調査については、現在までに北海道大学病院脳神経外科で診療したもやもや病全症例の中から、対象となる臨床的表現促進現象を呈するもやもや病親子例を抽出し、すべての家系調査を終了している。ヒト末梢血からのゲノムDNA抽出とCNVアレイ解析については、外来受診される対象被験者から順次、採血による試料収集とCNVアレイ実験を進めており、現在全対象予定患者39例中15例(38%)の試料収集とCNVアレイ実験が終了している。総合的に、平成25年度の研究計画は、おおむね計画通りに進捗していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに当科診療中の対象者の家系調査は既に終了しているので、順次本年度も採血試料の収集とCNVアレイ解析を進め、本年度中にはすでに判明している全対象者からの試料収集解析は終えることが可能と思われる。新規に診療を開始する症例でも対象条件に当てはまれば加えて症例数を増やす。さらにデータが揃った時点でCNVアレイ結果の解析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ解析料が当初見込んでいた金額より、安くなったため。 データ解析料として使用予定。
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