研究課題/領域番号 |
25462204
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 健一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90634973)
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研究分担者 |
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 助教 (10447162)
鷲尾 利克 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (40358370)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 助教 (50376597)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 後方視的研究 / 英文雑誌報告 / 学会発表 |
研究概要 |
バルーンカテーテルを用いた内頚動脈遮断時における、閉塞側大脳半球の脳血流量と脳血液循環時間の関係について、過去の症例から後方視的に解析を行った。脳血液循環時間は、脳血管撮影上の中大脳動脈近位部と皮質静脈にROIを設置してtime-density curveを作成し、各time to peak (TTP)を算出し、皮質静脈のTTPから中大脳動脈近位部のTTPを除することで算出した。脳血流量はsingle photon emission tomographyを用いて中大脳動脈にROIを設置して定量した。閉塞側大脳半球の血液循環時間と非閉塞側のそれとの差と、閉塞側大脳半球の脳血流量と非閉塞側大脳半球のそれの比(asymmetry index)との相関関係についてsingle regression analysisにて解析した。結果はr2 = 0.89と強い相関関係を示した。以上のことより、半側内頚動脈遮断時の脳血流量の正常比は、半球循環時間の左右差を計測することで代用できることが示された。以上の成果は、査読を有する英文雑誌に報告した(Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism (2014) 34, 136-143)。また第23回東北脳SPECT研究会(H25年9月 弘前)、第25回日本脳循環代謝学会総会(H25年11月 札幌)、第29回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会(H25年11月 新潟)、第72回日本脳神経外科学会総会(H25年10月 横浜)にて発表した。 片側脳低灌流動物モデルについてはラットを使用して試行錯誤を重ねているが、現在まで安定したモデルにはいたっておらず、今後検討を重ねる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に提示した、①後方視的検討、②前方視的検討、③動物モデルの開発のうち、平成25年度は①と③について行った。①は予定通り遂行し、学会発表や論文掲載に至ったが、③は現在まで安定した動物モデルが確立されておらず、データを取得するに至っていないから。
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今後の研究の推進方策 |
今後は①で得られた知見を引き続き学会発表等で報告しつつ、②前方視的検討のためのプロトコール作りを行う予定である。また③動物モデルの作成を引き続き行い、片側内頚動脈閉塞における慢性期脳萎縮の有無について解析を行う。③については片側内頚動脈閉塞症例について過去の自験例から後視方的に検討を加えることも予定している。
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