研究課題/領域番号 |
25462205
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鶴田 和太郎 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50642104)
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研究分担者 |
中居 康展 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40535069)
鶴嶋 英夫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50315470)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 頚動脈拡張損傷モデル |
研究概要 |
本年度は研究1年目であり、実験モデルの安定した作成とガドリニウム封入リポソームの体内動態の測定など実験の基本となる部分に時間を費やした。 頚動脈拡張損傷モデル作成法の検討:実験を開始するにあたり、以前から行って来たラット頚動脈拡張損傷モデルの作成法について、より安定した新生内膜増殖が得られるように、血管操作やバルーン拡張手技について再検討を行った。内膜増殖の部位による不均一は、バルーンによる拡張力が血管壁に対し一定でないこと、シングルルーメンの小型バルーンのため、拡張圧の測定ができないことなどが考えられた。今後さらに安定したモデル作成が可能となるよう検討を行っていきたいと考えている。 ラット頚動脈モデルへのガドリニウム封入リポソーム取り込み試験:ガドリニウム封入リポソームを作成し、頚動脈拡張損傷モデルへ投与後、各臓器でのGd濃度測定をICP法を用いて行った。Gd濃度は頚動脈、頸静脈、肝臓、脾臓、皮膚、肺で高い傾向を示した。頚動脈へのとりこみについては、内膜損傷側と健常側との差は明らかでなかった。この原因として、ラット頚動脈検体は体積として小さいことの影響などを考え検討している。さらに実験を重ねて検証を進める方針である。 ラット固定器の作成:MRI撮影のためのラット固定は、わずかな動きも画像に影響するため工夫が必要である。現在検討中であるが、作成には至っていない。 MRI撮影プロトコールの作成:至適撮影シーケンス、撮影時間、麻酔と固定について現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット頚動脈拡張損傷モデルがまだ安定していない。ラーンニングカーブを越えれば安定する見込み。 Gd封入リポソームを用いる試験については、現時点では使用可能なリポソームが少ない。今後改善が必要。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は現在遅れているGd封入リポソームの頚動脈内膜損傷部への取り込みの経時的変化、Gd封入リポソームの至適投与量等についての検討、またラット固定器、MRI撮影プロトコールについて重点的に進めていく方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ラット頸動脈モデルの作成が今年度は予定ほど進まなかった。 ドキソルビシン封入リポソームを用いた実験に到達していない。 ラット頸動脈モデル作成のためのラット、バルーンカテーテル購入に使用予定である。 またドキソルビシン封入リポソームの実験を計画する。
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