研究課題/領域番号 |
25462206
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 英明 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (70359587)
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研究分担者 |
齊藤 延人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60262002)
石崎 泰樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90183003)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 白質障害 / 拘束ストレス / 情動反応 / うつ病様モデル / 大脳皮質 / 大脳基底核 / 逆行性ラベル / 神経連絡ネットワーク |
研究実績の概要 |
大脳白質障害モデルにおける脳機能障害の評価をおこなった。特にストレス下における 行動(運動・感覚)を制御するシステム(皮質脊髄路に関しての評価)と 情動反応や覚醒状態を調節するシステム(大脳辺縁系、脳幹網様体賦活系など)に関して評価を行った。具体的には白質障害モデルラットに拘束ストレスを加えた時に生じる運動機能と情動反応を評価した。結果としては、内包障害だけでは一見何ら運動機能や情動反応の異常な神経所見を示さない。一方、毎日2時間拘束ストレスをかけることにより、情動反応に異常が見られた。最も著明な所見としては、無働時間の延長と食欲低下による体重増加の鈍化など、一見するとうつ病様の症状を呈することが示された。次に、大脳白質(内包)で障害される軸索のもととなる神経細胞体の同定を行った。内包障害部位に逆行性のラベル(Fluoro Gold)を注入し、その分布を傾向顕微鏡で観察した。内包を通過する軸索のもととなる神経細胞体は、前頭葉大脳皮質だけでなく大脳基底核など広く存在することが示唆された。白質(内包)を通過するのは皮質脊髄路が有名であるがこれのみではなく、大脳基底核の連絡路としても重要である。うつ病様症状の原因として大脳基底核を含めた神経連絡ネットワークの障害がその一因である可能性が示唆された。
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