結果1: 動脈瘤の大型化に関連する因子として、動脈瘤親血管の血流流速、瘤への流入角度、親血管への瘤の開口部の大きさ(ネック 部の面積)、瘤内の血流が再びネック部より流出する際の抵抗が示唆される結果であった。 結果2: 瘤内の血栓化を促進する因子として、瘤内での血流のうっ滞が主な要因であると考えられたが、瘤やネックの大きさや血流の流入角度、ネック部の大きさの関連性は明確ではなかった。 結果3: 血管分岐部動脈瘤では血管側壁動脈瘤に比較して、血流によって動脈瘤の壁面に生じるずり応力が高い値を示し ていた。一方で血流のうっ滞は血管側壁動脈瘤で生じやすい傾向にあり、瘤内血栓は側壁動脈瘤で生じ安いと示唆された。 結果4: 分岐部動脈瘤ではその直前の親血管に狭窄があるとジェット血流が形成され、動脈瘤への流体力学的なストレスが増幅され、 瘤の大型化や破裂に発展する可能性が示唆された。
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