この研究はマグネシウム(Mg)の脳細動脈における拡張作用機序を解明することを目的とした. 雄ラットの脳細動脈を摘出しカニュレーションし血管内径を観察した. 脳細動脈においてMgは濃度依存性に血管平滑筋依存で血管拡張を起こした.その拡張作用は血管平滑筋カルシウム感受性カリウムチャンネルが重要な役割を担っていることが示唆された.またMgは血管内皮障害血管やくも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮の血管収縮因子を投与した収縮血管でも拡張させた.この結果はSAH後の遅発性脳虚血や脳血管攣縮の治療におけるMgの臨床使用において基礎的な背景を補うと考えられた.
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