研究課題/領域番号 |
25462214
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島村 宗尚 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄附講座准教授 (60422317)
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研究分担者 |
栗波 仁美 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教 (10638555)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / マクロファージ / ミクログリア / 炎症 / RANKL / RANK / OPG |
研究概要 |
リコンビナントRANKL 5 ng/2 ulを脳室内に脳虚血4時間後、6時間後、12時間後に投与し、72時間後に神経機能評価と脳梗塞のサイズ測定を行ったところ、6時間後までの投与では、RANKLの効果を認めたが、12時間後投与では明らかな効果は認められなかった。次に、脳梗塞4時間後において100 ng/2 ul, 50 ng/2 ul投与群との比較検討を行った。結果、100 ng/2 ul、50 ng/2 ul投与群では、逆に悪化傾向を認めたことから、RANKLの効果には至適量が存在することが明らかとなった。また、連続深部体温計測では、明らかな体温上昇は認めなかった。これらのことから、脳室投与によるtherapeutic time windowは6時間、至適投与量は5 ng/ 2 ulであることが示唆された。 次に、脳梗塞4時間後にRANKLを5 ng/ 2 ul投与し、虚血脳でのサイトカインの発現を検討したところ、IL-1β、TNFα、IL-6、MCP-1のいずれのmRNAにおいてもRANKLの投与にて低下していた。しかし、iNOSやArg1といったマクロファージ/ミクログリアのM1/M2マーカーについては、明らかな差を認めなかった。また、OPGノックアウトマウスを脳梗塞にした場合、IL-1β、TNFα、IL-6、MCP-1、iNOSの発現が低下しており、Arg1については発現が増加していた。これらのことから、リコンビナントRANKL投与による一過性の刺激では脳梗塞後の炎症性サイトカインの発現を低下させるものの、マクロファージ/ミクログリアのフェノタイプには変化がなく、OPGkoマウスのような持続的なRANKL刺激下では、マクロファージ/ミクログリアがM2 typeに変化していることにより、脳梗塞後の炎症性サイトカインの発現が抑制される可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した予定通り、リコンビナントRANKL投与の条件を決定でき、また、RANKL投与およびOPGKOマウスによる炎症性サイトカインの発現の検討から、RANKLの効果についてのメカニズムが、マクロファージ/ミクログリア由来の炎症性サイトカインを抑制することを見いだしていることから、おおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は当初の予定通り、RANKLの末梢投与による治療効果の判定とメカニズムの解明を進めていく予定である。
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