脳梗塞におけるリコンビナントRANKL(rRANKL)の治療効果をマウスで検討した。脳室内投与では5 ng、皮下投与では1 μgの複数回投与により脳梗塞の悪化を抑制でき、治療可能時間は発症より6時間以内であった。また、脳梗塞部位における炎症性サイトカインの発現も抑制されていた。しかし、rRANKLの皮下投与により骨密度の低下が報告されたため、経鼻投与による脳への投与を試みたところ、RANKLの発現は脳内で増加していたが、治療効果はなかった。以上より、脳室内投与あるいは破骨細胞を活性化しない方法での皮下投与であれば、rRANKLは脳梗塞の悪化を抑制できる新規治療法になりうる可能性が示唆された。
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