研究課題/領域番号 |
25462215
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大西 諭一郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00533811)
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研究分担者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00201046)
貴島 晴彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10332743)
新沢 康英 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70403186)
岩月 幸一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80346204)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | オルファクトリースフィア / オリゴデンドロサイト / シュワン細胞 / ニューロン |
研究概要 |
嗅粘膜組織(OM)は終生神経再生が生じる興味深い組織である。嗅粘膜上皮に存在する水平基底細胞は多分化能を有する組織幹細胞である。われわれは水平基底細胞がオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)マーカーを発現していることを見いだした。そして嗅粘膜組織よりOPCマーカーを発現する細胞集塊(オルファクトリースフィア:OS)の作成に成功した。 本研究では、安全で効果的な細胞移植治療の為に、中枢・末梢神経の病的環境モデルを作成し、OS細胞のそれぞれの環境における生着(生存)・分化(運命)を明らかにする。また臨床応用へ向けヒトOS細胞の樹立を目指す。最後にどのような外的シグナルが特定の分化を誘導するのか、その一端を明らかにする。 本年度は、次の①~⑤の研究項目の実験を行った。①ラットOS細胞がin vitroとin vivoにおいて、オリゴデンドロサイトとシュワン細胞の両方へ分化することを報告した(Stem Cell Res. 2013 Ohnishi et al.)。②ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤で、かつ抗てんかん薬であるバルプロ酸により、ラットOS細胞のニューロンへの分化誘導を促進することを、in vitroにて明らかにした。そして分化したニューロンのサブタイプの同定を行った。③ラットOS細胞の病態モデルラットへの移植実験をおこなった。④ヒト嗅粘膜組織よりヒトOS細胞の樹立方法を確立した。⑤ラットOS細胞のラット顔面神経切断モデルへの移植実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度では、中枢・末梢神経の病的環境モデルを作成し、OS細胞の移植実験を行っている。また臨床応用へ向けヒトOS細胞の樹立方法を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では中枢・末梢神経の病的環境モデルを作成し、ヒトとラットOS細胞の移植実験を行う。またヒトOS細胞のキャラクタライゼーションを進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度ではin vivo実験機器の購入が少なかったことが理由である。in vivoモデル動物の作成自体は順調にすすんでいるが、解析の為の機器が次年度にずれた為、次年度使用額が生じることとなった。 in vivoモデル動物解析に使用する実験機器と、in vitro実験の消耗品に使用する。
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