研究課題/領域番号 |
25462223
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福田 雄高 長崎大学, 大学病院, 医員 (20646575)
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研究分担者 |
堀江 信貴 長崎大学, 大学病院, 助教 (70380912)
佐藤 克也 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70398147)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 再生医療 / 幹細胞 / 移植 |
研究概要 |
脳梗塞に対する細胞移植療法の有効性は様々な動物モデルにおいて確立されており、臨床試験の結果が待たれるところである。しかしながら、至適条件(細胞数、時期、投与方法、細胞ソース)においては未だに確立されたものはなく、今後の課題と考えられる。我々は経動脈的細胞移植の可能性につき検討を行っているが、特に至適細胞数に着目して解析を行った。 Sprague-Dawley Ratを用い、suture methodを用いた75 分間中大脳動脈閉塞モデルを作成し、梗塞24時間後にヒト骨髄由来間葉系細胞(human mesenchymal stem cell :hMSC)を経動脈的に移植した。投与細胞数は1×10000個、1×1000000個、PBS投与の3群に振り分けた。評価項目として、modified neurological severity score (mNSS), cylinder testによる行動学的評価、cresyl violet染色による梗塞size評価、更に免疫組織染色を行いミクログリア活性、反応性アストロサイトを検討した。 1×10000個、1×1000000個投与群はPBS投与群と比較して、発症4日後よりmNSS、 cylinder testでの改善を認めた。1×10000個、1×1000000個投与群において梗塞sizeは有意に縮小していたが、治療群での差は認めなかった。免疫組織染色では、hMSC投与群において梗塞周囲における、ミクログリア活性の低下、反応性アストロサイトの増加を認めた。 局所脳梗塞モデルにおける骨髄間葉系細胞の経動脈的投与において、細胞数は1×10000個でも十分な効果を得た。脳梗塞における再生医療を考慮する際、経動脈的細胞移植は有効であり、特に自家移植においてはより早期に必要細胞数が確保できるという点で非常に有効であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移植細胞の染色、同定に難渋している。パラフィン切片を用いて、Human nuclei, Stem121, Human Mit など多種の抗体を用いたり、染色条件を変えたりしているが、未解決である。今後は凍結切片を用いて検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
移植細胞の脳内での分布や生存、生着の確認を行うため、凍結切片を用いての染色方法を確立することを第一とする。 その後は、抗炎症作用に月、免疫染色やLuminex assayを追加する
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次年度の研究費の使用計画 |
蛍光免疫染色による移植細胞の同定が困難であり、用いた試薬、一次抗体の種類や量が予定よりも増えたため。 蛍光免疫染色に用いる抗体に使用したが、次年度においても同じ抗体を用いていくため、当初の研究計画に変更はない。
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