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2013 年度 実施状況報告書

光感受性イオンチャネルを用いた新しい動物てんかんモデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 25462240
研究機関東北大学

研究代表者

岩崎 真樹  東北大学, 大学病院, 助教 (00420018)

研究分担者 中里 信和  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80207753)
虫明 元  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80219849)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードoptogenetics / epilepsy / kindling / glutamate / seizure
研究概要

初年度前半は、クラミドモナス由来のチャネルロドプシン2遺伝子をThy-1 promoter 領域に組み込んだトランスジェニックラットを用い、光ファイバーと脳波電極を慢性的に留置して、ラットの脳波とビデオを連続記録するシステムを確立した。ここには、比較的大きなラットの動きに併せて光ファイバーが損傷しないようにする技術的な工夫を要した。
上記ラットの海馬に挿入した光ファイバーを用い、間欠的光刺激によるけいれん誘発を試みた。われわれの先行研究と同様に、覚醒下においても誘発の刺激条件が10~20Hz刺激であることを確認した。
続いて、キンドリング効果の検証のため、発作誘発閾値下で海馬の反復刺激を行った。4日間の連日刺激によって発作強度(Racine stage)が経時的に進行することが確認された。この光刺激によるキンドリング(optogenetic kindling)には再現性がみられ、現在は獲得されたてんかん原性が長期的に維持されるか否か、観察を続けている。
また、4日間を越えて連日刺激を継続することで、一度獲得されたてんかん原性が後退する現象(habituation)を見出した。これについては、再現性と長期的な変化について、観察を継続している。
キンドリングを獲得した脳を免疫組織学的に検討したが、少なくとも短期的には明らかな器質的変化が観察されなかった。グルタミン酸代謝の異常という視点に着目し、急性スライス実験を行った。Schaffer collateral刺激に対する海馬CA1錐体細胞の反応を測定したところ、グルタミン酸トランスポーター阻害薬の影響が、てんかん脳では低下していることが分かり、てんかん脳ではグルタミン酸回収機構の異常が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

光刺激によるキンドリング現象が確認され、当初の仮説が支持された。キンドリングの成立を確認するには日数を要するため、母数を増やして結果の再現性を得るのに時間を要している。

今後の研究の推進方策

連日刺激の継続によって、一度獲得されたてんかん原性が後退する現象は過去の研究で着目されていないが、てんかん原性を抑制させる新しい機序の発見につながる可能性があり、今後の研究で追求する方針である。
約2週間以内の観察時間で行っている現在の実験系では、てんかん獲得脳での器質的異常を見いだせていない。機能的異常とその機序を探る目的に、急性スライス実験および電顕を用いた研究を予定している。

次年度の研究費の使用計画

ほぼ予定通りの執行状況と思われるが、少額残高が生じた。
消耗品費に充てる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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