我々は、ICG-リポソームを光感受性物質として設計開発し、近赤外線照射によって熱誘導と活性酸素を産生することを確認した。 今回の一連の研究から、①ラット脳腫瘍モデルの静脈内に投与した場合に脳腫瘍局所に1週間以上集積、②近赤外光照射による熱産生、③脳腫瘍の増大抑制効果、④脳腫瘍ラットの生存期間延長、⑤組織学的に広範な壊死が存在、⑥TUNEL法によるアポトーシス細胞の出現、⑦脳腫瘍へのCD8+Tリンパ球の集積、⑧ヌードラットにおいて上記治療効果がみられないこと、などを明らかにした。これらの結果から、本システムが非常に強く脳腫瘍局所での特異的免疫反応を惹起することが明らかとなった。
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