研究課題/領域番号 |
25462247
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤井 幸彦 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40283014)
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研究分担者 |
福多 真史 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (00361907)
中田 力 新潟大学, 脳研究所, 特任教授 (50281720)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / 機能的再構築 / fMRI / NIRS / TMS / 新規治療法 |
研究実績の概要 |
脳卒中による片麻痺を代表とした脳機能障害からの回復には、脳の可塑性に基づく脳機能再構築が極めて重要な役割を担っている。その再構築のメカニズムが解明できれば、画期的な治療法の開発が可能となり、脳機能障害に苦しむ多くの患者にとっての恩恵は計り知れない。本研究は、脳機能再構築に関わる多くの知見を捉えた研究代表者が、世界トップレベルの脳機能画像および脳電気生理学的研究チーム・施設を駆使して、脳腫瘍に伴って緩徐に起こり、手術によって急激に変化する脳機能再構築のメカニズムの解明に迫り、再構築に基づく、脳腫瘍の新しい治療法を考案することを目的とする画期的な臨床神経科学研究の提示である。 本年も最適化した機能的MRI(fMRI)、近赤外線分光法(NIRS)のプロトコールを用いて以下の研究を実施した。 具体的には、健常者と脳腫瘍患者における運動機能および言語機能を検討した。運動機能では、小脳における脳機能再構築を捉えた。すなわち脳腫瘍患者の腫瘍と対側の掌握運動時に、腫瘍の同側の小脳に健常人に比べて優位に賦活認め、小脳における機能的再構築を捉えた。NIRSにおいては、皮質-皮質の刺激の伝搬をNIRSにより視覚化に成功した。すなわち術中に一次運動野-補足運動野およびBroca領域-Wernicke領域の間の刺激の伝搬をNIRSを用いて、視覚的に捉えた。これらは、英文雑誌に投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最適化を行った機能的MRI(fMRI)、近赤外線分光法(NIRS)のプロトコールを用いて健常者と脳腫瘍患者の評価を行い、機能的再構築が起こっていることを示せた。術前の評価から得られた知見は予定以上の成果であるが、術後の評価が不十分となっている。また進行がやや遅れていることにより、学会発表や英文論文の完成させる時間が十分ではなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度が最終年度であるが、進行がやや遅れていることより、1年間延長を申請して、承認して頂いた。新たな最終年度になった平成28年度は、成果を総括し、英文論文や学会発表して行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より、進行が遅くなり、投稿準備に時間を要したため。
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次年度使用額の使用計画 |
英文論文作成や学会発表準備が予定されているので、その経費に充てる予定である。
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