選択的水チャンネルであるaquaporin (AQP)-1は良性脳腫瘍では腫瘍細胞には発現せずに血管に強く発現していました。腫瘍の中心に壊死を生じる悪性脳腫瘍とは逆の関係で、悪性脳腫瘍では血管内皮細胞が解糖系による細胞性浮腫を緩和できないため血管新生が妨げられていると考えられました。良性脳腫瘍の培養細胞にAQP-1を過剰発現させると細胞の増殖が著しく促進されました。しかし血管内皮細胞にはAQP-1が豊富に存在して細胞性浮腫を緩和して血管新生を促進していると考えられました。AQP-1が薬物により抑制できれば、難治性の良性脳腫瘍に対する新たな治療となると考えられます。
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