研究課題
動物脳内で浸潤性の増殖と血管新生を示すオリジナルの培養細胞と動物モデルを用いて、「血管新生-浸潤シフト」の原因となる血管新生非依存性浸潤規定遺伝子X を同定し、グリオーマの浸潤と血管新生のメカニズムを解明する。本年度は、まずマイクロアレイ法により、血管新生非依存性浸潤規定遺伝子の候補を抽出し、遺伝子の発現をコントロールした細胞を作成した。血管新生依存性浸潤型J3T-1グリオーマ細胞とそのannexin A2遺伝子ノックアウト細胞(J3T-1shA)、血管新生非依存性浸潤型J3T-2グリオーマ細胞とそのannexin A2 遺伝子導入細胞(J3T-2A)から RNAを精製し、マイクロアレイ解析を行った。解析結果より遺伝子発現を比較検討し、J3T-1shA で発現上昇しかつJ3T-2Aで発現低下した遺伝子は血管新生非依存性浸潤に関与する遺伝子Xとして、J3T-shAで発現低下し、かつJ3T-2Aで発現上昇した遺伝子は血管新生依存性浸潤に関与する遺伝子Yとして、以後の解析対象とした。同定した遺伝子の機能解析(in vitro)を行うために、遺伝子X及びYのcDNAを作成した。「オモテ」実験として、J3T-1またはJ3T-2 に候補遺伝子導入を、「ウラ」実験として、候補遺伝子のノックアウトを行い、migration assay やinvasion assay により、浸潤能の変化を検討した。
2: おおむね順調に進展している
解析結果から、候補遺伝子の絞り込みには、慎重を期する必要があり、膨大な論文の渉猟を行った。現在、in vitroの実験で様々な角度から遺伝子発現と、その浸潤における機能解析を行って検証をしている。
In vitroでの解析は、様々な角度で行うこととし、それが終わらずとも動物実験を同時で進行させることができる。動物実験に関しては、これまでも実績があり、順調に進むものと予想される。
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