水頭症でくも膜下腔が拡大せず、脳室だけが拡大する理由として、「脳室内の動脈の拍動が脳室を拡大させる」という仮説を証明した。自然発症高血圧ラット(SHR)(n=10)と正常血圧ラット(Wistar rat)(n=10)、雄、生後10週を用いた。25%カオリンを大槽に注入し、2週間後に脳冠状断面の脳室幅を測定した。SHRの脳室幅は脳幅の48±12%で、これはWistar ratの39±12%より有意に大きかった(p = 0.04)。高血圧ラットは正常血圧ラットに比し有意な脳室拡大を認めた。脳室内動脈の強い拍動が脳室を拡大させる原因の一つと考えられた。
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