膠芽腫幹細胞において高発現する遺伝子としてCD146を同定した。CD146は膠芽腫幹細胞の増殖に関与し、G2/M期で高発現し、発現低下するとG0/G1期の細胞を増加させることを明らかにした。膠芽腫幹細胞の代謝では、酸化的リン酸化が優位であり、分化細胞では解糖系が優位であることが分かった。膠芽腫細胞におけるCD146の発現低下は代謝を解糖系から酸化的リン酸化にシフトさせた。さらに、膠芽腫幹細胞においてヒストン脱アセチル化酵素の活性にCD146の発現は影響を与えた。CD146は幹細胞の増殖や糖の代謝経路に関与し、幹細胞性の維持や細胞分化に寄与するHDAC活性にも影響を与える可能性が示唆された。
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