膠芽腫は極めて悪性でテモゾロミド(TMZ)による標準治療後も再発は必至である。TMZはMGMTが耐性を規定するO6-メチルグアニンを形成するが、殆どはN7-及びN3-メチル体を形成する。これをPARPが修復促進するため、PARP 阻害剤(ABT888)によるTMZ感受性亢進が期待される。ヒト膠芽腫のMGMTメチル化及び非メチル化細胞株、再発株、TMZ耐性株でTMZ+ABT-888併用はTMZ単剤より強く、相乗的細胞傷害を認めた(p<0.05~0.001)。また照射単独に比べ照射+ABT-888併用でも相乗的抑制がみられ、ABT-888は耐性機序によらずTMZ耐性を克服する可能性が示唆された。
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