研究課題/領域番号 |
25462278
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉田 一成 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70166940)
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研究分担者 |
佐々木 光 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70245512)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / 神経膠腫 / 個別化治療 / 1p/19q / neoadjuvant chemotherapy |
研究概要 |
1 脳腫瘍における分子生物学的分類と個別化治療の確立: 成人テント上神経膠腫において、染色体コピー数の異常に基づく臨床経過と相関する分類を報告するなど、いくつかの論文報告を行った(業績参照)。また、頭蓋底脊索腫において脊椎動物の脊索分化に重要なBrachyury遺伝子の発現が予後不良因子であることを報告した(業績参照)。 2 化学療法反応性の神経膠腫に対するneoadjuvant approachの有用性検証:化学療法反応性が示唆されたgrade 2-3の 神経膠腫に対して、摘出術後の化学療法先行治療、残存腫瘍を縮小させた後の治癒切除(second look removal)の方針を継続した。現在までに25例がこの方針で治療され、second look removalは13例で行われた 。同方針の安全性と有用性についていくつかの学会で報告、また総説にて概要を発表した(業績参照、原著論文準備中)。 3 化学療法による腫瘍縮小後のsecond-look removal摘出標本における組織学的検索:術前化学療法による腫瘍縮小後に摘出された症例 において、IDH1変異免疫染色、olig2免疫染色などにより、腫瘍浸潤範囲を検討している。 4 画像所見からの術前化学療法の適応確認: CT, MRIにおける画像所見と 神経膠腫における分子生物学的予後因子を対比検討した結果、1p/19q 欠失を高いpositive predictive valueで予測する画像所見の組み合わせを見い出した(業績参照)。また同知見を応用した症例報告を学会にて報告した(論文投稿中)。 5 低悪性度神経膠腫における早期悪性転化例の分子生物学的特徴の検討:低悪性度神経膠腫初発例のリストを作成した。パイロットスタディとして22例の1p/19q 欠失のない低悪性度神経膠腫において解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要における1、に関して、いくつかの知見も見いだされ、論文報告した 。2、に関して、論文準備中である。3、に関しては、症例蓄積中である。4、に関して、論文報告し、応用例の投稿中である。5、に関してリスト作成され、パイロットスタディにて興味深い知見が得られ、今後症例を増やしてさらに解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
以下を今年度の目標とする。 1 脳腫瘍における分子生物学的分類と個別化治療の確立:当院および研究協力者施設における神経膠腫症例において、臨床経過と相関する分子生物学的分類を確立すべく、さらに解析を進める。 2 化学療法反応性の神経膠腫に対するneoadjuvant approachの有用性検証: 論文を投稿する。 3 second-look removal摘出標本における組織学的検索: 症例を蓄積し、グリオーマにおけるsurgical marginの組織学的検索に関して今年度末までに学会報告を行うことを目標とする。 4 画像所見からの術前化学療法の適応確認:論文報告した知見を基に、画像で術前分子診断を行い計画的なneoadjuvant approachを行う治療を、第1相臨床試験として開始する。 5 低悪性度神経膠腫における早期悪性転化例の分子生物学的特徴の検討:解析を終了し、学会報告を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
全体として研究はほぼ予定どおりに行われたが、たまたま検査困難例が少なく再検査が少なかったことや、プロジェクト5などにおいて昨年度は主に症例リスト作りが行われたことなどが、理由として考えられる。 プロジェクト5などにおいて症例リスト作成は終了したため、H26年度は多数例の解析が予定されている。予定どおりに研究が行われれば、次年度使用額およびH26年度額を合わせた額が必要になる見込みである。
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