研究課題/領域番号 |
25462284
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
宮腰 尚久 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90302273)
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研究分担者 |
本郷 道生 秋田大学, 医学部, 講師 (50375250)
粕川 雄司 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60375285)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エルデカルシトール / 筋 / 筋張力 / 遺伝子 |
研究概要 |
今回、骨粗鬆症薬の一つとして本邦で使用されている新規活性型ビタミンD3(エルデカルシトール)が、骨密度維持だけではなく、筋にも作用することで転倒を予防し、高齢者の骨折を抑制するのではないか、という点に着目した。本研究の目的は、動物実験により、新規活性型ビタミンD3(エルデカルシトール)の筋に対する作用を明らかにすることである。平成25年度の研究では、ラットを用いた骨粗鬆症モデル(ステロイド骨粗鬆症モデル)に、活性型ビタミンD3(アルファカルシドール)または新規活性型ビタミンD3(エルデカルシトール)を4週間投与し、坐骨神経に電気刺激を加えることで、筋張力ならびに筋疲労度を測定した。また、筋組織を採取し、筋線維の組成変化および筋の増殖、分化に関わる遺伝子解析をRT-PCRで解析した。実験結果として、筋張力は、アルファカルシドールの骨粗鬆症モデルでは、明らかな筋張力低下予防効果は認められなかったものの、エルデカルシトールの骨粗鬆症モデルでは、筋張力低下予防効果が認められた。筋疲労度は、アルファカルシドールおよびエルデカルシトール共に、骨粗鬆症モデルに対して、改善効果は認められなかった。筋線維の組成については、アルファカルシドールでは、骨粗鬆症モデルに対する筋線維の委縮を抑制する効果は認められなかったが、エルデカルシトールでは筋線維の委縮を抑制する効果が認められた。筋の増殖および分化に関与する遺伝子については、RT-PCRを行い、アルファカルシドールおよびエルデカルシトールともに一部で遺伝子発現量の増加を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の平成25年度計画においては、ラット骨粗鬆症モデル(ステロイド骨粗鬆症モデル)を作製し、活性型ビタミンD3(アルファカルシドール)を投与することによる、筋張力、筋疲労度、筋組織所見、筋遺伝子解析の結果を出すことであったが、平成26年度に計画していた新規活性型ビタミンD3(エルデカルシトール)を投与することによる研究まで進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、平成25年度で得られた、ラットの骨粗鬆症モデル(ステロイド骨粗鬆症モデル)における、新規活性型ビタミンD3(エルデカルシトール)の筋張力、筋疲労度、筋組織所見および筋遺伝子解析結果を吟味し、エルデカルシトールの筋に対する作用について、より明確にしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
追加実験を行うための、骨粗鬆症モデル(ステロイド骨粗鬆症モデル)に使用するラット購入費用や、試薬、資材の購入を要するため。また、研究成果を発表する場合の準備費用などを要するため。 骨粗鬆症モデル(ステロイド骨粗鬆症モデル)に使用するラットの購入および、試薬、資材の購入。研究成果を発表する場合の準備費用。
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